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食物繊維のとりすぎで便秘がさらに詰まる理由

便秘解消に食物繊維がよいことはよく知られている話。しかし食物繊維のとりすぎで、ソフトボール並みの便の塊がお腹に見つかった女性がいます。じつは食物繊維には不溶性と水溶性があります。不溶性の食物繊維のとりすぎはカチカチの便の塊を作ってしまうことになるのです。10月1日放送『ためしてガッテン』の「便秘!スッキリ大革命」で紹介されていました。



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食物繊維のとりすぎで便秘がさらに詰まる


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食物繊維のとりすぎで便が大きな塊に

直径9cmとソフトボール並みの便の塊がお腹の真ん中で見つかった女性がいます。神奈川県に住む60歳の女性です。以前から便秘がちで一週間や10日は出ないことはザラだったといいます。

5年前に仕事を辞めてから便秘の症状は徐々に悪化。薬を飲んでも出なくなってしまい、だんだんお腹が張ってきたのです。そしてトイレに座っていると、ボールみたいな何かがゴロリと落ちる感じがしたといいます。

たまらず病院を訪れた女性。すると、便が巨大な玉となり、大腸の出口をふさいでいたのです。緊急処置を受けてなんとかことなきをえました。このとき医師からいわれたのは意外な原因でした。食生活が原因だというのです。

じつは、このソフトボール大の便の正体は「食物繊維」。食物繊維が毛糸玉のようになってしまって大きな塊になってしまったのです。

食物繊維で便が詰まる


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とりすぎ食物繊維で便が塊になる理由

じつは食物繊維と便秘解消の関係に大きな誤解があります。通常、食物繊維は消化されずに大腸で便のカサを増します。すると腸の壁が刺激されて、ぜんどう運動が活発化。便を先のほうへと送り出してくれます。

ところが高齢者の場合、食物繊維を大量にとると、カサは増すもののぜんどう運動が活発化しません。加齢によって腸の機能が低下して、カサ増しによる腸の刺激の効果が期待できないのです。

それでも、便が出ないからといって食物繊維をとり続けるとカサはますます増加。ゆるゆると腸の中を進むうちに水分が再吸収されてしまって、残るはカチカチの便の塊に…。これがソフトボール大の便の正体です。


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とりすぎても大丈夫な水溶性食物繊維

このため、便に悩んでいる高齢者にオススメしたいのが水溶性の食物繊維。水に溶けやすい食物繊維です。水溶性の反対は不溶性になります。

食物繊維もは2種類あって、水溶性の食物繊維は水に溶け水分を含み便に水分を与えやわらかくする役割があります。一方の不溶性食物繊維は、水に溶けず便をカサ増しして腸のぜん動運動を促進するものです。

多くの食材に両方の食物繊維が含まれていますが、それぞれの食材に含まれる水溶性と不溶性の割合に大差があります。不溶性食物繊維は比較的、どの食材にも多く含まれているもの。一方で、水溶性食物繊維は不溶性より含まれる量が少ないため、意識してとる必要があるのです。とりすぎをそんなに心配する必要はありません。

食物繊維の水溶性と不溶性の違い


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水溶性食物繊維が多い食材とは?

それでは、どんな食材に不溶性と水溶性の食物繊維は多く含まれているのでしょう? 不溶性の食物繊維は、葉物野菜に多く含まれています。キャベツやカブ、春菊、玄米など。豆類も不溶性の食物繊維が含まれています。

水溶性の食物繊維は、エシャレットのほか、わかめやひじきの海藻類、大麦などです。とくに押し麦は白米に混ぜて炊くだけで、簡単に食べられます。雑穀米などが注目されているのもこういった食物繊維が豊富なためです。

なお、水溶性と不溶性の食物繊維を両方含んでいるのが、じゃがいもやごぼう、納豆、プルーンやキウイです。


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不溶性食物繊維のとりすぎに注意

水溶性と聞くと水に溶けるイメージですが、実際は溶けるというより、水を抱え込みやすい性質があります。便がやわらかくなって、すべりもよくなる効果があるのです。

便のカサを増すことは大切なことなので、不溶性の食物繊維をとったほうがよいのは事実。腸内の有害物質を吸着しながら体外へと排出してくれる働きもあります。

しかし、不溶性ばかりのとりすぎには要注意。水溶性の食物繊維もバランスよくとることが大事なのです。食物繊維はなんでもかんでも一緒のような気になってしまいます。しかし、不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく食べる必要があるのです。


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食物繊維は糖尿病を改善する

とりすぎると逆に便を詰まらせてしまう食物繊維ですが、水溶性と不溶性をバランスよくとれば便秘解消に効果があります。そして、それ以外にも食物繊維には、高齢者にとって見逃せない役割があるのです。

それが、血糖値の上昇を防ぐ役割です。食事の最初に食物繊維を食べると、食物繊維が小腸をコーティング。あとから食べた糖質が吸収されにくくなります。血糖値の急激な上昇を防いでくれるのです。

このため、食事の最初に食物繊維を食べる方法は、高齢者に多い糖尿病の改善に有効です。肥満の予防にもなるので、水溶性と不溶性のバランスを考えながら、食事の最初に積極的に食物繊維をとるのがオススメです。

■10月1日放送『ためしてガッテン』
【便秘!スッキリ大革命】

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