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メラノーマの症状に対する分子標的薬の効果とは

分子標的治療とは、がん細胞の持つ特異的な性質を分子レベルで捉えて、それをターゲットとしてその機能を制御する治療する方法。ほかのがんと同様に、メラノーマの症状にも分子標的薬の開発と臨床応用が進んでいます。メラノーマの症状に対する分子標的薬の効果について詳しく見ていきましょう。



メラノーマの症状に対する分子標的薬の効果とは


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メラノーマの症状を遺伝子異常が促進

メラノーマの症状に対する分子標的薬は、BRAF阻害剤とMEK阻害剤が開発されてきました。メラノーマの症状の原因となる遺伝子異常は、約半数の症例でBRAFに異常があるとされています。

BRAFとは転写や細胞増殖、細胞死の抑制など、さまざまなシグナル伝達に関わる遺伝子に関連する遺伝子。BRAFの変異によってシグナルが恒常的に異常に活性化され伝達され続けることで、メラノーマの症状が促進されています。

このBRAFの変異による活性化を阻害するのがBRAF阻害剤。これまでの化学療法ではほとんど症状に効果が見られなかったメラノーマに対して、劇的な縮小効果を示しました。メラノーマ治療の歴史を塗り替えたといっても過言ではありません。


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メラノーマの症状に阻害剤を併用する

ただし、BRAF阻害剤の最大の問題点は耐性の発生。多くの症例でBRAF阻害剤でメラノーマの症状が縮小するものの、半年ほどで治療効果がなくなり、症状の再発がおきてしまうのです。

一方のMEK阻害剤は、BRAFによるシグナル伝達の下流にあたる酵素を制御します。BRAFの変異によるシグナル異常でメラノーマの症状が進行するのを、MEKを阻害することで抑えようとするわけです。

そして、メラノーマ治療では現在、BRAF阻害剤の耐性を克服するために、BRAFの下流にあるMEKを抑えるMEK阻害剤を併用することが試みられています。BRAFに加えて、より下流にあるMEKを同時に阻害して、シグナル経路の出口をふさいで、メラノーマの症状を抑えようというものです。

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