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長引く咳は風邪でなく咳喘息の症状かもしれない

長引く咳は、ひょっとすると「咳喘息(せきぜんそく)」の症状かもしれません。治療を受けないと、本格的な喘息に進む可能性があるので、早めに専門医の治療を受けることが大切。花粉症などアレルギー患者が増えていることが、咳喘息の症状の増加につながっています。



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長引く咳は風邪でなく咳喘息の症状かもしれない


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長引く咳が咳喘息の症状の特徴

咳喘息にかかるのは、平均すると40~50歳代が多いものの、70歳以上の高齢者を含めすべての年齢層で発症します。ただ、乳幼児にはあまり多くありません。成人では4対6の割合で、女性に多いといいます。

通常の喘息は、空気の通り道である気道に炎症がおきて狭くなるもの。呼吸をするときにヒューヒュー、ゼーゼーという音が出たり、呼吸困難になったりします。

咳喘息の症状も、気道に炎症が生じておきるもの。長引く咳がもっとも大きな特徴。夜間から明け方に悪化することが多いのも特徴です。音が出たり呼吸困難になったりすることはありませんが、就寝後に咳込んで目を覚ますなどぜんそくとの共通点もあります。


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長引く咳が続くとき咳喘息の疑い

咳喘息の症状で夜間に咳がひどくなるのは、昼間に活発に働いている交感神経の活動が、夜になると弱まるため。副交感神経の働きが強くなって、気道を締め付けるからです。

気道表面の細胞にある咳の受容体が刺激を受けて、咳が出やすくなります。枕など寝具についたダニなどのアレルゲンが、咳を誘発することもあるのです。

咳喘息の症状の疑いがあるのは、風邪が治っても長引く咳が続くとき。春や梅雨どき、秋になると決まって空咳が続く人も要注意です。花粉や黄砂、ハウスダストなどによるアレルギー反応で気道に炎症がおき、咳が出やすくなっているからです。


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長引く咳が1~2か月以上続くことも

咳喘息の症状として、長引く咳が1~2か月以上続くことも珍しくありません。空咳の場合が多いですが、たんが出るときもあるといいます。このため、風邪や気管支炎などと見過ごされることもしばしばです。

咳喘息の症状は胸部X線写真を撮っても、異常は見つかりません。気管支拡張薬を服用して、咳が治まることが診断の決め手になります。

咳喘息の事前検査としては、吐く息に含まれる一酸化窒素の量を測る方法があります。患者が装置を両手で持って、マウスピースをくわえて一定の速さで息をはき出します。一酸化窒素の値が高いと気道に炎症がおきていて、咳喘息の可能性が大なのです。


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長引く咳は早めに専門医を受診する

かつて咳喘息は、大学病院や専門病院など大きな医療機関でないと検査ができませんでした。しかし2年前に、小型の装置が保険適用になりました。このため、最近では一般の医療機関でも検査できるところが増えています。

咳喘息の治療には、おもに炎症を抑える吸入ステロイド薬を使います。これだけで咳が止まる人もいますが、効果が不十分な場合などはステロイド吸入薬と気管支拡張薬の配合剤を使うのです。

慢性的な気道の炎症を改善する薬「ロイコトリエン受容体拮抗薬」も有効でよく使われています。薬剤にもよりますが、1~2週間で症状が改善することが通常です。

咳喘息は自然によくなることもありますが、3割くらいは悪化して本格的な喘息に移行します。長引く咳など気になる症状がある場合は、早めにアレルギーや呼吸器内科の専門医を受診するようにしましょう。

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