アスタキサンチン効果を使い切った鮭は白くなる
何十キロも川をさかのぼることで知られる鮭のスタミナを支えているのがアスタキサンチン効果。じつはアスタキサンチンには活性酸素を消し去る効果があります。このため、運動によって発生した活性酸素が消し去られて、スタミナがアップするというわけです。
アスタキサンチンの効果は抗酸化
活性酸素は非常に強い酸化力を持つもの。身体の細胞や組織をサビさせます。活性酸素は疲労や老化、がんや生活習慣病などを招く原因。活性酸素の害を防ぐには、抗酸化物質を含んだ食べ物を摂取することが有効です。
抗酸化物質の代表例がベータカロテンやビタミンC、ビタミンEなど。なかでも注目されているのが「アスタキサンチン」です。アスタキサンチンの効果は、ビタミンEの抗酸化力の500~1,000倍といわれています。
アスタキサンチンは元は藻に含まれる色素成分。この藻を食べたプランクトンをオキアミが食べて、それをエビやカニが食べるというのが食物連鎖。カニやエビの幼生をエサにする鮭に、アスタキサンチンがたっぷりと取り込まれています。
アスタキサンチン効果がスタミナ
鮭は長く海を泳いだあとに、産卵のために生まれ故郷の川をさかのぼります。この過酷な運動によって、鮭の体には多くの活性酸素が発生。この活性酸素を消し去るのがアスタキサンチンの効果です。
実際、河口近くで捕まえた鮭はアスタキサンチンをたっぷり含んでいるため身が赤い状態。それが上流に行くにしたがって身が白くなります。鮭はもともとは白身の魚なのです。
何十キロも川をさかのぼる鮭の驚異的なスタミナは、アスタキサンチン効果によって生まれているというわけ。筋肉内にアスタキサンチンを蓄えるという機能は、鮭の長い進化の中で獲得されたものです。
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