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物忘れは不整脈による脳の酸素不足でもおこる

なかなか名前が思い出せなかったり、同じことを何度も話してしまう…そんな物忘れの多くは加齢などによる脳の萎縮によりおきていると考えられていました。しかし近年、物忘れが脳ではなく心臓に原因があることがわかってきました。『みんなの家庭の医学』で紹介されていました。



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物忘れは不整脈による脳の酸素不足でもおこる


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物忘れの原因が心臓であるかを検証

まずは物忘れがひどいという人の中に、心臓が原因の人がどれくらいいるのかを調べます。今回は3人の私生活をカメラと心電計でチェック。物忘れの原因が心臓であるかを検証するのです。

心臓は心房から心室へ血液を送り出して、心室から全身へ血液を送り出しています。この動きを心電図で見ると、心房から心室へ血液が送り込まれると小さな波を記録。心室から全身へ血液が送り出されるときは大きな波です。そして収縮した心室が元の大きさに戻るときに中くらいの波を記録します。

正常な心臓のリズムは1分間に50~100回、定期的に拍動。もし物忘れの原因が心臓にあるなら、このリズムに変化が現れるというわけです。3人のうち2人は、生活の中でいろいろ物忘れはするものの、心電図には大きな変化はありませんでした。


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不整脈が心臓由来の物忘れの原因

しかし、残りの1人の男性の場合は違っています。お昼ご飯の調理を頼まれたことを忘れてしまったとき、振動の拍動が遅くなっていたのです。本人に確認しても、拍動が遅くなっていたときは記憶が曖昧だったと話します。

専門医によると、この男性は通常の健康な人と比べると、脈がとんだりする回数が多いとのこと。心臓の正常なリズムが乱れる、不整脈が出ているのです。

そして、この不整脈は心臓由来の物忘れを引き起こす、徐脈性不整脈の予備軍であると指摘。徐脈性不整脈とは本来、規則的に動かなくてはならない心臓のリズムが、何らかの原因で乱れて遅くなる病気です。


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心臓が原因の物忘れのメカニズム

心臓は電気信号によって動いています。その電気信号を送って心臓の収縮リズムの調節を行っているのが、洞結節といわれる器官。ところが、加齢などで洞結節の働きが衰えると、電気信号が正常に発信されなくなり、心拍数が少なくなってしまうのです。

すると、心臓から十分な血液を送り出すことができないことに…。結果として脳が酸素不足となり、一時的に記憶が抜け落ちるという現象がおきるのです。これが心臓が原因の物忘れのメカニズムなのでした。

5秒以上も拍動が止まる場合は、心臓に異常があって明らかに治療が必要です。しかし、一瞬心臓が止まる脈とびという現象は、ほぼ健康な人でも日常的におきています。


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物忘れの原因になる危険な脈とび

じつは脈とびには「安心な脈とび」と「危険な脈とび」の2つのタイプがあるのです。物忘れの原因になるのも、危険な脈とびです。

安心な脈とびは、規則正しく打っている脈が通常より早いタイミングで打つもの。そのリズムが乱れが回復するまで脈が飛んでしまいます。このような脈とびが1日に数回おきる程度であれば問題ありません。

一方の危険な脈とびとは、規則正しく打っている脈が突然、鼓動が止まって数秒間のあいだ脈が飛ぶというものです。この間隔が3秒以上続く場合、さまざまな症状が出てきます。

危険な脈とびを発見するには、自分で脈を測ることが一番です。3秒以上の脈とびと物忘れの症状がある人は早めに病院で精密検査を受けることをおすすめします。

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