頭痛が治らないときの神経ブロックという選択肢

薬を飲んでも治療をしても、まったく頭痛が治らないときにはペインクリニックという治療の選択肢もあります。ペインクリニックは、もともと頭痛に限らず腰痛やひざの痛みなど治らない痛みに適用されるもの。いったん痛みのメカニズムを断つことで、痛みから解放されるというものです。

痛みが治らない悪循環を止める

痛みとは怪我をしたり炎症がおきたりして、体に異常が発生したことを知らせるサイン。じつは痛みは、グルグル回って悪循環して治らない場合があります。これを「痛みの悪循環」というのです。

具体的には、痛みがおきると痛みの周辺の筋肉が緊張。血の巡りが悪くなり老廃物が溜まります。すると、さらなる痛みを引き起こす物質が分泌されてしまうのです。この繰り返しで、痛みが強まっていきます。

この治らない痛みの悪循環を止めるのが、ペインクリニックです。痛みをおこしている神経のところに麻酔薬を少し入れることで、麻酔をかけたところの血の巡りを改善。すると、そこに溜まっていた悪いものが流されてしまうというわけです。

血の巡りがよくなると、痛みを引き起こす物質が分泌されなくなり、痛みが弱まっていきます。抜本的な治療ではありませんが、痛みと上手に付き合うことで質の高い生活が送れるようになるのです。

ペインクリニックでは、薬などの治療で痛みが治らない患者が対象になります。実際の治療は「神経ブロック」という方法。神経の伝達を遮断・ブロックしてしまいます。痛みに関係している神経に、注射をして麻酔の薬を入れているのです。

頭痛が治らない場合、症状によって注射する場所はさまざま。たとえば偏頭痛であれば、首の根っこに自律神経があるため、そこに注射します。緊張型頭痛であれば、脊髄から出た神経が頭の外を這い上がっていくので、その根元に針を刺すのです。