良性発作性頭位めまい症の原因は耳石のかけら

良性発作性頭位めまい症が知られるようになったのは、女子サッカー日本代表だった澤穂希選手が2012年に診断されてから。約1か月の治療の末に完治。無事に戦線復帰を果たしたのはご存じのとおりです。良性発作性頭位めまい症がおきるメカニズムを見ていきましょう。

良性発作性頭位めまい症の原因は耳石

めまいを訴える人のほぼ半数は「良性発作性頭位めまい症」です。良性発作性頭位めまい症は耳の中にある小さな耳石のかけらが三半規管に入り込み、平衡感覚を狂わせておこります。

良性発作性頭位めまい症の原因である耳石とは、耳の奥にある体のバランスをとる役割を持つ器官。四角いカルシウムの塊が感覚毛の上に乗っている構造です。

耳石の成分は炭酸カルシウム。身体が動いた際に感覚細胞を刺激して、加速度を感じさせる重要な働きがあります。

この耳石は、ちょっとした衝撃や老化によって、一部が欠けることがあるもの。その耳石のかけらが三半規管に入り込んでおこるのが、良性発作性頭位めまい症です。

三半規管の中はリンパ液で満たされており、耳石のかけらがリンパ液の流れをかき乱します。実際の姿勢とは異なるバランス情報が感覚細胞から脳に送り出され、脳が混乱してめまいがおきるわけです。

良性発作性頭位めまい症は不快な症状が何度かぶり返すことはあっても、良性というだけあって悪化しないのが特徴。ほとんどの人は適切な運動で耳石を取り除け、症状も治まっていきます。