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膿栓の取り方はのどの奥の「うがい」が簡単

のどにできる白い粒「膿栓」は潰すと悪臭を放つ不思議な物体。じつはこの膿栓の放置が原因で、腎臓病などの重い病気になることがあります。膿栓ができる原因と、それが腎臓病を引き起こすメカニズム、そして膿栓の取り方を見ていきましょう。



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膿栓の取り方はのどの奥の「うがい」


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膿栓の取り方を知らず放置して腎臓病に

のどにできる膿栓の取り方を知らずに放置したことが原因で、腎臓病になってしまった女性の症例を見ていきます。最初は膿栓をのどにつかえた食べ物が腐ったことが原因かな…と軽く考えていました。しかし急に体調を崩して、1週間ほどのどの痛みが続いたのです。

のどの痛みが治りかけたころ突然、今度は血尿が出ました。慌てて病院で検査を受けたところ、なんと腎臓病という診断。しかも意外なことに、腎臓病はのどにできた膿栓と深い関係があったのです。

この女性、風邪をひくといつものどから…といいます。風邪で痛めるのは「扁桃」と呼ばれるところ。のどの両脇にある丸い部分です。右左に1つずつあって直径はおよそ3cm、表面がでこぼこしています。

膿栓の取り方はのどの奥のうがい


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膿栓を1万倍に拡大すると細菌の塊

じつは膿栓は、扁桃のへこんだ部分に入っているのです。実際に膿栓を1万倍に拡大すると、その正体は細菌の塊でした。歯周病菌や大腸の悪玉菌などの仲間の菌。それらの細菌が集って卵が腐ったような臭いを発するのです。

空気中に存在するばい菌が口の中に侵入すると、扁桃にたどりつきます。扁桃は体を守る免疫器官。免疫細胞がばい菌の侵入を阻止しようとするのです。

免疫細胞がばい菌と戦っている証拠がのどの腫れ。いわゆる扁桃炎です。そして膿栓は、このばい菌の死骸の塊。膿栓自体にはとくに害のあるものではありません。膿栓は「臭玉」と呼ばれることもあります。

問題は、この膿栓が出る状態が長く続くことにあります。この扁桃で免疫細胞とばい菌との戦いが続くと、免疫系の異常をきたすようになるのです。

臭い玉(膿栓)を拡大すると細菌の塊


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膿栓が出るのは免疫システムの疲弊

扁桃は免疫を担うリンパ組織の一部です。リンパ組織は扁桃以外にも鼠径部やわきの下など全身にあります。

そして、全身のリンパ組織の中で、扁桃だけが体の外部に存在。このため、膿栓が出る状態が続くということは、免疫システムが疲弊しているということです。すると、免疫系の異常がおこりやすくなります。

免疫系の異常で、全身の免疫細胞がばい菌などの敵がいないのに攻撃を開始。腎臓や関節、肌荒れなどの症状を引き起こします。それが今回のような腎臓病を引き起こしてしまうのです。


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膿栓の取り方はうがいが簡単

ここで膿栓の取り方を紹介しましょう。膿栓は耳鼻咽喉科で吸引して取り除くこともできますが、もっとも簡単な方法がうがいです。ただし普通のうがいでなく、わざとのどの奥まで水が届くようにします。

そして、吐き出すときにもコツが必要です。水をいったん吐いたあとに、のどの奥の粘膜に付いた汚れをこそげ取るイメージで、のどの奥のほうから唾液を出します。

このうがいを何度か繰り返すと、唾液に混じって膿栓が出てきます。膿栓が付着しているのはのどの奥の両脇。ここを刺激して唾液を吐き出すことで、膿栓を取り除くことができるのです。


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膿栓が原因で手足にひどい肌荒れ

膿栓ができ続ける状態は「慢性扁桃炎」という病気です。慢性扁桃炎が長く続くと、全身のさまざまな病気の原因になります。例えば、免疫系の異常が手足の先でおこるのが「掌蹠膿疱症」。手の平や足底にひどい肌荒れが続けて出現します。

慢性扁桃炎の目安は、膿栓が月に3~4回出ることが3か月以上続くこと。慢性扁桃炎の治療には、炎症を抑える薬の服用やうがいを行います。耳鼻咽喉科で膿栓を吸引して取り除くことも可能です。

慢性扁桃炎が元になって掌蹠膿疱症になってしまった場合は、原因となる扁桃を摘出する手術を行います。扁桃は摘出しても体のほかのリンパ組織が補ってくれるため、免疫力は落ちません。扁桃をとると50%が完治、90%は症状が改善します。


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膿栓の取り方をマスターしても解決せず

膿栓の取り方をマスターしても、根本的な解決にはなりません。じつは、膿栓が溜まってしまうことには、安静時唾液の現象が深く関係しています。すなわち、膿栓ができる原因はドライマウスにあるのです。

ドライマウスの原因はおもに加齢。また、口呼吸によってもおこります。そこで、まずは自分がドライマウスがどうかをチェックしておくとよいでしょう。下記の5項目に当てはまるものをチェックするだけです。

チェックは「口の中がネバネバして話しづらい」「乾いた食べ物が食べにくい」「食べ物の味がわからない」「ノドや舌がよくヒリヒリ痛む」「唇がよく荒れる」の5項目になります。1つでも当てはまるとドライマウスの可能性アリです。


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膿栓ができやすい口呼吸チェック法

膿栓の原因となるドライマウスは、口呼吸によってもおこります。口呼吸になる原因は、口や舌の筋肉の衰え。このため、知らず知らずのうちに口で呼吸するようになってしまうのです。

そこで、口呼吸かどうかのチェック方法を紹介しましょう。それは口を閉じたとき、自分の舌がどこにあるか確認するというもの。正しい舌の位置は、上あごに舌がぺったりと付いている状態です。

舌の位置が正しければ、口は自然に閉じて鼻呼吸ができるようになっています。舌が上あごから離れていたり、舌先が上あごに付いていないなら、舌の筋力が衰えているということ。それが口呼吸を招き、ひいては膿栓の原因となるのです。


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膿栓は取り方より口呼吸の改善が大切

いわば膿栓の原因は口呼吸。膿栓は取り方だけでなく、できないようにすることも大切です。そこで、脳線の原因となる口呼吸の改善方法を紹介しましょう。それが「あいうべ体操」です。

あいうべ体操のやり方は簡単。ゆっくり「あ・い・う・べ」と口を動かすだけです。なるべく大きく動かすことがポイントになります。まず口を大きく開いて「あ」、次は口角を真横に引いて「い」、少し首に筋が張るくらい引いてください。

そして唇を突き出して「う」、最後はあごの先を舐めるように「べ」と舌を出すのです。ちなみに「あいうべ体操」は、口を動かすだけで声は出さなくてもかまいません。1日30回を1か月ほどで行えば口呼吸が改善。膿栓の原因を根本から治します。

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