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40代からの医療情報…現役看護師が監修

「神経ブロック」で痛みのメカニズムを断つ

薬を飲んでも治療をしても、まったく改善しない頭痛には「ペインクリニック」という治療もあります。ペインクリニックは、もともと頭痛に限らず腰痛やひざの痛みなどに適用されています。いったん痛みのメカニズムを断つことで、痛みから解放されるというものです。抜本的な治療ではありませんが、痛みと上手に付き合うことで質の高い生活が送れるようになります。



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「痛み」とは、怪我をしたり炎症がおきたりして、体に異常が発生したことを知らせるサイン。そして、この痛みはグルグル回って悪循環するもの。「痛みの悪循環」といいます。

痛みがおきると、痛みの周辺の筋肉が緊張。血の巡りが悪くなり老廃物が溜まります。すると、さらなる痛みを引き起こす物質が分泌されてしまうのです。この繰り返して、痛みは強まっていくといいます。この痛みの悪循環を止めるのが、ペインクリニックなのです。

痛みをおこしている神経のところに麻酔薬を少し入れることで、麻酔をかけたところの血の巡りがよくなります。すると、そこに溜まっていた悪いものが流されてしまうというわけです。血の巡りがよくなると、痛みを引き起こす物質が分泌されなくなり、痛みが弱まっていきます。

ペインクリニックでは、薬などの治療でなんともならない患者さんが対象。実際の治療法には「神経ブロック」という方法を行います。神経ブロックとは、神経の伝達を遮断・ブロックしてしまうこと。痛みに関係している神経のところに、注射をして麻酔の薬を入れているのです。

頭痛の場合、その症状により注射する場所はさまざま。頭が痛ければ、その部分に注射を刺します。たとえば偏頭痛であれば、首の根っこに自律神経があるため、そこに麻酔をかけるために注射。緊張型頭痛であれば、脊髄から出た神経が頭の外を這い上がっていくので、その根元に針を刺すこともあります。

注射による痛みは瞬間的。とはいえ神経に針を刺すわけですから、その瞬間は脳に電流が走るといいます。しかし、注射する痛みよりも頭痛のほうがキツイ患者さんが来るので、その痛みはそんなに気にする必要はないようです。

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