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脱腸の原因となる腹壁の穴は胎児の時代にできる

脱腸と聞くと腸がお尻から出た状態をイメージしがち。私たちのお腹の消化器は腹壁という筋肉の壁に包まれています。脱腸というのはその腹壁から消化器があふれ出ていることです。しかも、消化器系の外科手術は胆石が7万5千件、いわゆる盲腸と呼ばれる虫垂炎が6万件、そして脱腸が16万件にも達します。



脱腸の原因となる腹壁の穴は胎児の時代にできる

脱腸の原因は胎児の時代にまで遡る

脱腸の原因は胎児の時代にまで遡ります。胎児は受精卵の段階では男女で構造に差はありません。始めにできるのは「未分化性腺」と呼ばれるもの。できるのは背中のあたりです。これが妊娠2か月くらいまでに卵巣もしくは精巣になります。

精巣の場合、背中の部分にあっては不都合。妊娠5ヶ月くらいになると、下半身のほうへ徐々に移動します。しかし、消化器などは腹壁に囲まれているもの。ここで腹壁が自動的に開いて、精巣が本来あるべき場所にたどり着くのです。

このとき空いた腹壁の穴には、精巣などに栄養を送るための血管が通っています。このため、腹壁の穴は大人になっても空いたままなのです。

女性の場合も腹壁の穴は存在。卵巣も下半身に向かって移動しますが、最終的には腹壁の中に収まります。しかし、下に向かって引っ張るための靭帯が通るために、腹壁に穴が空いているのです。

赤ちゃん時代から脱腸の原因は存在

この穴が空いている場所が鼠径部(そけいぶ)。いわゆるビキニラインあたりです。じつは脱腸の本当の病名は「鼠径ヘルニア」。椎間板ヘルニアなどでも使われるヘルニアという言葉は「脱」。本来あるべき場所から外れることを意味します。

私たちの体内にある腹壁には、すでに赤ちゃんの時代から脱腸の原因となる穴が空いているというわけ。しかし、そうならないための防御機構も存在しているのです。このため、穴があってもヘルニアにはなりません。

しかし、原因は不明ですが、ヘルニアの防御機構がどんどん弱くなってしまい、腹壁の穴が開いてしまうことが…。すると、そこから腸が出てしまうのです。

こうした脱腸は男性によくおこります。また、前立腺がんなどの手術経験者は、手術箇所が穴と近いためにヘルニアになりやすい傾向があります。男女の比率は「4対1」ほどです。

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