不安を抱える10代女性の心臓代謝リスク改善を目指す——オンライン心理療法の可能性を探ったパイロット試験
肥満傾向にある思春期の女子を対象に、オンラインで実施した2種類のグループ心理療法(IPTとCBT)の実施可能性と効果を調べたパイロット試験の結果が報告されました。12週間の介入と1年後の追跡調査を通じて、不安症状や食行動、一部の心臓代謝指標に改善の傾向が観察されました。この研究は、より大規模な効果検証を行うための土台となる知見を提供しています。
何が分かったか
不安症状が高く体重が平均以上の10代女子を対象としたオンラインのグループ心理療法は、参加者の募集・継続率・受容性において十分な実施可能性を示しました。介入から1年後の追跡では、対人心理療法(IPT)を受けたグループで全般的な不安や社交不安の改善、および血糖の長期指標であるHbA1cの低下が認められました。認知行動療法(CBT)を受けたグループでは感情的な食行動の改善が確認され、BMIパーセンタイル(年齢・性別ごとの肥満度の相対的な位置づけ)については両グループで改善が見られました。ただし、これはあくまで少数例によるパイロット試験であり、効果を確定するためにはさらなる大規模研究が必要です。
研究の概要
本研究は、米国の2施設で実施された2年間のパイロット・実施可能性ランダム化比較試験です。対象は12歳から17歳の女子で、不安症状スコア(STAIC合計スコアが32以上)が高く、かつBMIが同年齢・同性別の75パーセンタイル以上(平均を上回る体重)であることが参加条件とされました。また、全般的な健康状態が良好で、研究期間中に別の心理療法や薬物治療を受けていないことも条件となりました。
参加資格を満たした47名のうち40名(85%)が登録し、対人心理療法(IPT)グループと認知行動療法(CBT)グループにランダムに振り分けられました。どちらのグループも、心理士が主導する形で5〜7名のグループをセキュアなビデオ会議ツール(Zoom)上に集め、週1回90分、計12週間にわたってセッションを行いました。いずれも完全オンラインで実施されたことが特徴です。
評価は介入開始時(ベースライン)、12週後(介入終了時)、1年後の計3回行われ、不安症状、感情的な食行動(食べることで不安やストレスに対処する傾向)、BMI指標、血圧、血中脂質、HbA1c(過去1〜2か月の平均血糖値の指標)、空腹時血糖などが測定されました。
結果
40名の登録は7か月以内に完了しました。12週後の継続率はIPTグループで85%(17名)、CBTグループで100%(20名)でした。プロトコル遵守率はすべての期間で96%を超え、参加者の90%(IPT)および95%(CBT)が規定の介入の80%以上を受けることができました。
受容性については、「好ましさ」の平均評価が4段階中3.03、「信頼性」が3.26と、いずれも平均を上回る評価を得ました。専門家によるプログラムの忠実度評価(設計通りに実施されているかの指標)は、IPTで平均78%、CBTで平均94%でした。
1年後の追跡では、IPTグループで全般的な不安(95%信頼区間: −8.95〜−1.40)と社交不安(95%信頼区間: −12.37〜−1.88)の有意な改善が見られました。また、血糖管理の長期指標であるHbA1cにおいても改善が認められました(95%信頼区間: −0.48〜−0.23)。CBTグループでは感情的な食行動の改善(95%信頼区間: −1.18〜−0.18)が確認されました。BMIパーセンタイルについては、IPTグループで効果量−0.82、CBTグループで効果量−0.63と、両グループで改善が観察されました。一方、採血を伴う測定項目では欠損データが最大30%に上る場合があり、今後の課題として挙げられています。
生活への示唆
この研究は、不安と体重の両方に課題を抱える思春期の女子に対して、オンラインでグループ心理療法を提供するアプローチが実践的に成立しうることを示しています。通院の負担が少なく、地理的な制約を超えて専門的なサポートを受けられるオンライン形式は、アクセスのしやすさという観点からも注目されます。
また、不安がきっかけとなる「感情的な食行動」が心臓代謝リスクと関連している可能性が示されており、体重管理のアプローチにおいてメンタルヘルスへの対応を組み合わせることの意義が改めて浮かび上がっています。ただし、本研究は少人数を対象としたパイロット試験であるため、得られた知見は今後の大規模試験の設計に役立てるための予備的なものです。効果の一般化や実際の臨床応用については、より多くの参加者を対象とした研究による検証が待たれます。
出典
JMIR cardio(2026 Sep 17)
Improving Cardiometabolic Health in Adolescent Girls With Elevated Anxiety: Web-Based Multisite, Pilot, and Feasibility Randomized Controlled Trial.(PubMedで見る)
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
