心臓手術後の痛みにキネシオテーピングが有効か?ランダム化比較試験の結果
冠動脈バイパス手術を受けた患者を対象とした臨床試験で、胸骨切開部へのキネシオテーピング(弾性治療テーピング)が術後の痛みや回復に良い影響をもたらす可能性が示されました。鎮痛薬の使用量の減少や入院期間の短縮といった効果も確認されており、術後ケアの新たな選択肢として注目されています。
何が分かったか
心臓手術(冠動脈バイパス術)後に胸骨切開部へ「弾性治療テーピング(キネシオテーピング)」を貼ることで、術後48時間の安静時・咳嗽時の痛みが大幅に軽減され、オピオイド系鎮痛薬(トラマドール)の使用量が減り、入院期間も短くなる傾向が、ランダム化比較試験によって示されました。また、身体機能や睡眠の質も改善したことが報告されています。
研究の概要:対象と方法
この研究は、前向きランダム化二重盲検プラセボ・シャム対照試験として設計されました。予定手術として冠動脈バイパス術(CABG)を胸骨正中切開で受けた195人の患者が対象となり、3つのグループにランダムに振り分けられました。
①弾性治療テーピング群(65人):テンションをかけてテープを貼るグループ、②プラセボテーピング群(65人):テンションをかけずにテープを貼るグループ、③シャムテーピング群(65人):痛みとは無関係な部位にテープを貼るグループ、の3群です。テーピングは、集中治療室から心臓血管外科病棟へ転室した後に施行されました。
主要評価項目は、安静時および咳をしたときの痛みの強さで、「視覚的アナログスケール(VAS)」を用いて、ベースライン・12時間後・24時間後・48時間後に測定されました。副次評価項目として、起立歩行テスト(TUG)による身体機能、睡眠の質、鎮痛薬の総使用量、入院期間が評価されました。
結果
48時間後の安静時の痛みスコア(VAS)は、弾性治療テーピング群が平均19.0±10.2であったのに対し、プラセボ群は37.5±13.7、シャム群は41.2±16.2と、弾性治療テーピング群で有意に低い値が示されました(p=0.001)。この差は、急性術後痛における「臨床的に意味のある最小変化量(MCID)」とされる9.9mmを超えるものであり、統計的な有意差だけでなく臨床的にも意味のある改善と評価されています。
咳をした際の痛みについても、弾性治療テーピング群(39.2±17.0)がプラセボ群(56.3±17.2)およびシャム群(59.4±16.8)と比べて低く抑えられていました(p=0.001)。
鎮痛薬(トラマドール)の使用量は、弾性治療テーピング群で中央値50mg、プラセボ・シャム群では中央値100mgと、弾性治療テーピング群でより少ない傾向が見られました(p=0.038)。入院期間についても、弾性治療テーピング群では中央値4日(範囲3〜5日)であったのに対し、他の群では中央値5日(範囲4〜7日)であり、有意に短いことが示されました(p=0.042)。さらに、身体機能(起立歩行テスト、p=0.002)および睡眠の質(p=0.001)においても、弾性治療テーピング群で有意な改善が認められました。
生活への示唆
この研究は、心臓手術後の術後管理において、テーピングという比較的簡便な手技が、痛みの緩和や早期回復に役立つ可能性を示した点で意義深いと言えます。オピオイド系鎮痛薬の使用量を減らせる可能性は、薬剤の副作用リスクを抑える観点からも注目されます。
ただし、この研究はあくまで特定の条件下で行われた一試験であり、すべての患者に同様の効果が得られるとは限りません。テーピングの効果は施術者の技術や患者の状態によっても異なる可能性があります。術後のケアについては、必ず担当の医療チームに相談することが重要です。今後、より多くの研究が積み重なることで、この手法の有効性と適用範囲がさらに明確になると期待されます。
出典
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
