血管迷走神経性失神と朝礼の立ちくらみは同じ
いま働き盛りに急増しているのが「血管迷走神経性失神」です。血管迷走神経性失神がおきるメカニズムとしては、思春期のころに朝礼で倒れてしまう立ちくらみと同じものになります。血管迷走神経性失神を詳しく見ていきましょう。『ためしてガッテン』で取り上げられていました。
血管迷走神経性失神の年代別分布
血管迷走神経性失神の年代別分布を見てみると、20代から30代にかけて減少しているグラフが、40代から50代、60代と年齢が上がるにつれて増加しています。
しかも、心臓も悪くないし貧血があるわけでもなく、脳に異常があるわけでもない人におきるのです。いま一種の社会問題になっているといいます。働き盛り世代におきる原因不明のたちくらみだけに、退職を余儀なくされるケースが多いのです。
そもそも血管迷走神経性失神はなぜおきるのでしょうか。私たちは立ったままの状態だと血液は下に流れるばかり。そこで血管を覆っている交感神経が血管を収縮させて、血液を上に戻しています。
血管迷走神経性失神は血液が滞留
しかし、ここで何らかのストレスが加わると、迷走神経が過剰に反応するのです。迷走神経は交感神経と反対に、血管を拡張させる働きがあります。血管を拡張させてリラックスさせようとするのです。
実際、血管迷走神経性失神の人と健康な人とで、壁の前に立ってもらって足の温度を測定してみます。すると、血管迷走神経性失神の人はふくらはぎから足首にかけて温度が高い状態。健康な人は足首あたりが冷えています。
すなわち、血管迷走神経性失神は交感神経による血管の収縮が弱いために血液が滞留。足全体に血液が溜まったしまって、結果的に温度が高くなっているのでした。
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