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膀胱炎が治らない原因はS字結腸の大腸憩室炎

10年間も膀胱炎が治らずに抗生物質を飲み続けていた女性がいます。しかし、膀胱のエコー検査で数ミリの小さな点を発見。さらに内視鏡で膀胱内を見てみると、膀胱の中が小さな浮遊物で濁っていました。そして、問診でおしっこのときにオナラのようなガスが出ることが判明したのです。



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膀胱炎が治らない原因はS字結腸の大腸憩室炎


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膀胱炎の診察で大腸のCT検査

ここで医師が指示したのは、膀胱炎の診察にもかかわらず大腸のCT検査。その結果、大腸憩室炎であることがわかったのです。膀胱炎が治らない原因は、なんと特殊な場所にできた大腸憩室炎だったのです。

大腸憩室炎とは、腸壁に一部が何らかの原因で袋状に飛び出してしまい、そこに便などが詰まって炎症をおこしてしまう病気。便秘の人や腹圧の弱い高齢者に多く発症します。推定患者数は230万人です。

大腸憩室炎はとりたてて珍しい病気ではありません。しかし、女性の場合は憩室炎がおきたいちが極めてまれな場所。憩室炎の1万件に1件あるかないかという非常に珍しいケースでした。


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膀胱炎を引き起こす原因は便

大腸憩室炎がおきたのは大腸の中でも、膀胱と隣り合ったS状結腸といわれる場所のある一部分。このため、炎症が大腸の内側から外側へ、さらに膀胱へと広がっていたのです。

その結果、腸と膀胱の一部が癒着。その癒着から穴が開き、つながってしまったのです。その穴から膀胱へ侵入してきたのが、大腸にあるはずの便でした。膀胱に見えた小さな点は、膀胱に侵入してきた便だったのです。

おしっこにガスが混じっていたのは、大腸から排出されるはずだったおならが膀胱内に入ってきたものでした。便が絶え間なく膀胱内に入ってくるため、抗生物質を飲んでも雑菌が繁殖。何度も膀胱炎を引き起こす原因となっていたのです。

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