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要注意!科学的根拠が不明な遺伝子検査も!?

病気のリスクや体質を調べる「遺伝子検査」が話題になっています。しかし、業者が「検査ビジネス」として提供しているものには、科学的根拠が不明なものも多いのが現状。病気の診断などに用いられる医学的な検査とは精度が大きく異なることを理解しておかなければなりません。



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「才能検査」は中国・上海の企業が2008年から提供し、日本でも2010年に始まりました。代理店の1つによると、申し込みは月60~70件あって、調べた年齢は10歳未満がほとんど。学習や絵画などのべ41項目の潜在能力を判定し、研究者なら誰でも認める評価内容と説明しています。

しかし、この検査で実際に調べている遺伝子は19個。「内向性」「楽観性」「美的感覚」など5項目は、ある1個の遺伝子だけで判定しています。色覚に関する遺伝子に異常がないと「色彩感覚が優れている」とするなど、検査の結果とその解釈の仕方に論理の飛躍が見られるものもあるのです。

「遺伝子検査」は、遺伝性乳がんの発症リスクの診断や、抗がん剤に効き目があるかなどを調べる「医学的検査」から、肥満のタイプや長寿の可能性などを調べる「検査ビジネス」まで幅広く展開されています。経済産業省の2012年の調査によると「検査ビジネス」を受ける人は年間十数万人はいるといいます。

医学的検査で調べるのは原則、1つの遺伝子変異によって病気になる「単一遺伝子疾患」に限られます。一方の「検査ビジネス」が主に扱うのは「体質」など多くの遺伝子がかかわる分野。それにもかかわらず、実際にはその一部しか調べていません。

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