赤血球分布幅(RDW)が炎症性腸疾患の評価に役立つ可能性
通常の血液検査で測定できる「赤血球分布幅(RDW)」が、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患(IBD)の評価に有用なバイオマーカーとなり得ることが、系統的レビューとメタ解析によって示されました。低コストで広く利用可能なこの指標が、IBDの疾患活動性の把握に貢献できる可能性があります。
赤血球分布幅で何が分かったか
炎症性腸疾患(IBD)の患者では、通常の血液検査項目の一つである「赤血球分布幅(RDW:Red Blood Cell Distribution Width)」の値が健康な人と比べて有意に高いことが確認されました。さらに、赤血球分布幅は疾患が活動期にあるか寛解期にあるかとも関連しており、病気の勢いを反映する指標として機能する可能性が示されました。
研究チームは、赤血球分布幅が安価で広く測定可能な検査項目であることから、IBD評価における実用的なバイオマーカーになり得ると結論付けています。
赤血球分布幅研究の対象と方法
本研究は、PRISMA(系統的レビューとメタ解析のための報告ガイドライン)に従って実施された系統的レビューおよびメタ解析です。PubMed、Web of Science、Scopusという3つの主要な医学文献データベースを対象に、2025年9月4日までに発表された論文を網羅的に検索しました。
赤血球分布幅と炎症性腸疾患の関係を調べた複数の研究からデータを抽出し、統計手法としてランダム効果モデルを用いて解析を行いました。また、疾患活動性の程度によるサブグループ解析も実施されています。対象疾患はクローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)の2種類です。
赤血球分布幅の研究結果
解析の結果、クローン病患者のRDW値は健康な対照群と比べて平均2.2ポイント高く(p<0.001)、潰瘍性大腸炎患者でも平均1.36ポイント高い(p<0.001)ことが示されました。いずれの疾患においても、活動期の患者は寛解期の患者よりも赤血球分布幅が有意に高く、クローン病では平均1.29ポイント、潰瘍性大腸炎では平均1.11ポイントの差が確認されています。
クローン病の活動期と寛解期を区別する指標としては、赤血球分布幅のカットオフ値を14%超に設定した場合、感度86%・特異度78%(AUC=0.83)という診断精度が得られました。また、活動期のクローン病と活動期の潰瘍性大腸炎を比較すると、クローン病のほうがRDW値は有意に高く(平均差0.59、p<0.005)、両疾患の鑑別にも一定の有用性が示唆されました。
赤血球分布幅の日常生活への示唆
赤血球分布幅は、健康診断や入院時の一般的な血液検査(血算)に含まれていることが多く、追加の費用や特別な手技なしに確認できる項目です。今回の研究結果は、この身近な数値が炎症性腸疾患の炎症状態や疾患活動性と関連している可能性を示しています。
ただし、本研究はあくまでも既存の研究をまとめたメタ解析であり、赤血球分布幅はあくまで補助的な指標の一つに過ぎません。炎症性腸疾患の診断や経過観察には内視鏡検査や他の炎症マーカーなど総合的な評価が必要であり、RDW単独で病状を判断することには限界があります。
自身の検査数値が気になる場合は、主治医に相談することが勧められます。今後は、RDWを既存のバイオマーカーと組み合わせた場合の有用性を検証する前向き研究が期待されます。
出典
BMC gastroenterology(2026 Jul 27)
“The role of red cell distribution width in inflammatory bowel disease evaluation: a comprehensive systematic review and meta-analysis”.(PubMedで見る)
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
