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冷え性が治るツボ!梨状筋をボールでほぐす

冷え性には「四肢末端型・内臓型・下半身型」があります。そして、30代以降に増えるのが「下半身型冷え性」。その原因はお尻の「梨状筋」にあります。冷え性が治る梨状筋のツボをボールでほぐす方法を大公開。また、梨状筋の硬さチェックやストレッチ方法も紹介します。7月22日放送『みんなの家庭の医学』の「夏の冷え性の新事実SP」で取り上げられていました。



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冷え性が治るツボ!梨状筋をボールでほぐす


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下半身型冷え性は梨状筋が原因だった

下半身型冷え性とは、下半身の血流が減ることで足の末端へ熱が運べなくなり、足の先から腰にかけて冷えてしまうタイプの冷え性。心臓から排出されて下半身へと向かう温かい血液が、足の血液の流れが悪くなっているために上半身へ集まってきてしまうのです。

それでは、30代を過ぎると下半身型冷え性が増えるのでしょうか? その大きなカギを握るのが「お尻の筋肉が硬くなる」こと。通常であればやわらかい「梨状筋(りじょうきん)」が肩こりのように硬くなってしまうのです。

硬くなった梨状筋は坐骨神経を圧迫します。坐骨神経には足の血管の太さを調節する機能があるため、刺激を受けると足の動脈が収縮。温かい血液を足にうまく運ぶことができなくなり、足が冷えるようになってしまうのです。

梨状筋はお尻の奥にある筋肉


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梨状筋の硬さチェック「足曲げ検査」

梨状筋が硬くなってしまう大きな原因は「老化」です。加齢や運動不足により、筋肉の疲労が回復しにくくなるため、いったん硬くなった筋肉が元に戻らず、慢性的に硬いままになってしまいます。

そこで、梨状筋が硬くなっているかどうか、調べる方法を紹介しましょう。梨状筋の硬さを簡単チェックできる「足曲げ検査」です。イスに座って行います。

【梨状筋をチェックする足曲げ検査】

  1. 足首を反対の足のひざに乗せる
  2. 前傾姿勢になってひじでひざを押す
  3. 同じように反対の足も確認する

足首を反対の足のひざに乗せた状態というのは、梨状筋を収縮させて外側に開いた状態です。足曲げ検査でお尻の後ろが突っ張ったり痛みが出るときは、梨状筋が硬くなっている可能性があります。右利きの人は左足のほうに出やすい傾向があります。


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梨状筋に効果が期待できる3つのツボ

老化によって硬くなってしまう梨状筋ですが、じつはふだんの「姿勢」によっても硬くなってしまいます。後方や前方に必要以上に傾くだらしない姿勢が、じつは梨状筋に悪影響を及ぼすのです。

正しい姿勢のときには、梨状筋には負荷はかかっていません。しかし前傾姿勢になると、上半身につられて梨状筋が引っ張られることに…。常に大きな負荷がかかり続けます。

また、同じように後方反り返ったときには、足のほうに梨状筋が引っ張られることで大きな負荷がかかり続けるのです。その結果、梨状筋は硬く変化してしまいます。

そこで、硬くなった梨状筋をやわらかく若返らせる簡単マッサージ法を紹介しましょう。まず梨状筋には効果が期待できる3つのツボがあります。梨状筋の真ん中にある「臀中」というツボ、続いて足の付け根に近い「環跳」というツボ、そして梨状筋のすぐ脇にある「胞肓」というツボです。

梨状筋に効くツボ


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梨状筋のツボをボールでほぐす

とはいえ、お尻にあるツボのため1人ではなかなか指圧できません。そこでオススメなのが野球のボール。これを下に置いて、それに乗って自分の体重で押すようにするのです。

なお、ボールは軟式野球のものを使うようにしてください。梨状筋はお尻の奥のほうにある筋肉ですから、少し大きいボールでないと押し切れません。そして、ある程度の弾力があったほうがよいので、軟式の野球のボールがオススメなのです。

やり方は簡単。まずは仰向けに寝た状態でひざを立てます。次に、ボールをお尻の下に入れて、尾てい骨から足の付け根まで、梨状筋の中でこっている場所を探すのです。ツボが見つかったら、腰を左右に動かしてマッサージしてください。目安は1つのツボを30秒ほど。たったこれだけで、下半身型冷え性が改善できるのです。


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梨状筋を自分でストレッチする方法

ボールなどを使わずに、自分で手軽に梨状筋をストレッチする方法を紹介しましょう。横になって足をひねるだけで簡単に梨状筋をストレッチできます。

まず仰向けになって、右足のひざを曲げて左ひざの左側に右足を置きます。左手は右ひざか太ももに、右手を骨盤に置いてください。この状態から両手で下向きに圧力を加えて、梨状筋をストレッチするのです。

実際にストレッチするときは、はじめ左手で右足を少し戻しながら息を吸って梨状筋を収縮。次に、力を抜いて息を吐きながら左手で右足をゆっくりと押し下げて梨状筋を伸張させてください。


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梨状筋を自分でほぐす方法

梨状筋をほぐす方法もあります。仰向けに横になったら、両ひざを立ててください。ここで右のかかとを左足の付け根に入れて、右足をペタンと右側に倒します。左足首は右足首に少し寄せましょう。

この状態から、右ひざを床に押し付けるようにして、お尻を浮かび上がらせます。お尻が硬くなっているのを確認して3秒ほど力を入れたら、スーッと力を抜くのです。続けて反対の足を行ってください。

これを左右それぞれ3回ずつほど行います。硬くなった梨状筋をほぐすことにより、本来のしなやかさを取り戻すことができるでしょう。


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梨状筋ストレッチで左右差を解消

梨状筋の左右差を解消するのが梨状筋ストレッチです。さっそくやり方を紹介しましょう。

まずは、両手をお尻の後方に置いて座ったら、ももからひざまでをピタリとくっ付けて、ひざから下が「ハ」の字になるように足先を広げてください。少しずつ足先を開いて、左右で差を感じたところで30秒キープするのです。

手の位置を後ろにずらして上体を少しずつ倒すと、梨状筋の伸びは大きくなります。梨状筋の柔軟性をアップさせるなら、上体を完全に倒してください。

梨状筋ストレッチは、脚を開く角度を硬いと感じる側に合わせることがポイント。左右差をなくすことが目的です。このストレッチを朝晩に2回ずつ行うと、梨状筋の動きに左右差がなくなってくるでしょう。


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梨状筋症候群の改善にも効果あり

梨状筋をボールでほぐしたりストレッチする方法は、坐骨神経に与えている刺激を解消するもの。ここで坐骨神経への刺激といえば、有名なのが坐骨神経の痛み。いわゆる腰痛です。

じつは坐骨神経の痛みの原因は2つ。腰部脊柱管狭窄や腰椎椎間板ヘルニアといった脊椎の影響によるものは「坐骨神経痛」と呼ばれます。一方で、下半身型冷え性と同じように固くなった梨状筋の影響によるものは「梨状筋症候群」です。

すなわち、この梨状筋をボールでほぐす方法は梨状筋症候群の改善にも効果があります。冷え性だけでなく、腰の痛みや下半身のしびれがあるときは、このマッサージを試してみると効果があるかもしれません。


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梨状筋症候群にはストレッチが有効

梨状筋症候群は、スポーツに起因する坐骨神経痛がおもな症状です。梨状筋が硬いと、股関節に力を入れて足を開いたときなどに痛みが発生します。

梨状筋症候群の対処法としてはストレッチが有効。このため、ここで紹介している冷え性改善のための梨状筋のストレッチは、そのまま梨状筋症候群の改善にも使えるものです。

梨状筋症候群がひどくてストレッチなどで対処できない場合は、鎮痛剤による投薬や神経ブロックなども行われます。症状が改善しないときは、梨状筋を切り離して坐骨神経を開放する手術を行う場合もあるほどです。

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