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感染でも誤嚥でもない新たな原因の肺炎が急増中

感染タイプでも誤嚥タイプでもない、新しいタイプの肺炎が注目されています。それはいわば「胃液逆流タイプの肺炎」ともいえる病態です。実際の症例を見ながら、第三の肺炎がおこるメカニズムを見ていきましょう。『ためしてガッテン』で紹介されていました。



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新たな原因の肺炎が急増中


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新たな原因の肺炎が注目されている

いま肺炎で亡くなる人が急増中。なんと年間で12万もの命が奪われています。これまで肺炎といえば、ウイルスなどが鼻や口から侵入して肺で炎症をおこす感染タイプや、食べ物などが間違って肺の中に入ってしまう誤嚥(ごえん)タイプが知られてきました。

ところが、肺炎というと最近注目されている新たな原因の病態があるのです。心当たりがまったくないのに謎の犯人が肺に侵入。それが原因で一気に炎症をおこして重症化するといいます。とっても厄介な肺炎なのです。

さっそく、実際の症例を見ていきましょう。62歳の男性と77歳の女性が肺炎にかかった様子を振り返ります。


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謎の原因による肺炎を発症した男性

その謎の肺炎を56歳で発症した人がいます。兵庫県に住む62歳の男性です。風府でウォーキングを欠かさないなど人一倍、健康には気を使っていました。

ところが6年前に突然、謎の肺炎が襲いかかります。初めはちょっとした体のだるさでした。それが一気に悪化していったのです。これが冷や汗かと思うくらい背中は汗びっしょり。熱を計ると39度を超えていました。

ただごとではないと思った男性は翌日に病院へ。すると医師からは、肺炎にかかっているのですぐに入院するよういわれたのです。なぜかこの男性の肺には、強い炎症を示す白い影が映っていました。

原因としてまず疑われたのは誤嚥です。誤嚥とは、食べ物などがうまく飲み込めず、誤って肺のほうへと入ってしまうことです。しかし、この男性はそれまで、食事がうまくの見込めなかったりしたことは一度もありません。


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原因不明の肺炎を発症した女性

熊本県に住む77歳の女性も、謎の肺炎を経験しました。それは4年前のある晩、のどに強い痛みを感じて目を覚ましました。激しい咳が止まりません。そのうち寒気がしてきて、熱が一気に上がりました。

ここでもまず疑われたのは誤嚥。しかし、この女性はまったく心当たりがありません。飲み込みはよかったといいます。

この女性は一週間で無事に退院。しかしその後、さらに不思議なことがおきます。なんとそれ以降、10回もこの原因不明の肺炎を繰り返しているのです。

そもそも誤嚥は加齢によるのどのフタの機能低下が原因です。ただしこの女性、誤嚥の検査をしても問題は見つかりませんでした。


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肺炎の原因は胃液の逆流だった

じつは兵庫県の男性も4年間に3回、肺炎にかかっています。熊本県の女性は4年間に10回。この肺炎は繰り返してしまうのが特徴なのです。

じつはこの肺炎の原因は「胃液」です。通常、胃の中にある胃液は、胃の入り口にある噴門というところが閉じているため、逆流することはありません。

しかし、睡眠中は横になっているため、噴門がゆるむことがあります。そのときには、胃液が食道に侵入することがあるのです。とはいえ、人間は睡眠中も無意識につばを飲み込んでいるため、胃液は通常は押し戻されます。


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胃液の細菌が肺で繁殖して肺炎になる

ところが、睡眠中につばを飲み込まない人がいるのだとか。もう少し詳しくいうと、つばを飲み込む回数が少ないために間隔が空いてしまう人がいるのです。

そして、その間に胃液がのどのフタまで逆流します。すると、いとも簡単に胃液は肺へと入ってしまうのです。じつはのどのフタ、口や鼻など上から入って来るものには反応しますが、下から来るものには無防備。気がつけば、胃液が肺に入ってしまうのです。

そして胃液には、じつは未消化の食物に混じって細菌が含まれていることがあります。こうなると、胃液の強い酸によって肺の表面が荒れてしまうことに…。そして、そこの取り付くのが未消化の細菌なのです。この細菌が肺で繁殖したことが原因で、大変な炎症をおこしていたのでした。

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