多発性骨髄腫の新しい画像診断法「免疫PET」、標準検査で見逃した病変を検出――フェーズ2臨床試験の結果
多発性骨髄腫(血液のがんの一種)の診断に、CD38というタンパク質を標的とした新型PET検査薬「Zr-DFO-ダラツムマブ」の有効性を検証する臨床試験の結果が、医学誌『Radiology』に掲載されました。標準的なFDG-PET検査では病変が確認できなかった患者の一部で、この新しい検査薬が活動性の骨髄腫を検出できることが示されました。
何が分かったか
多発性骨髄腫の患者60人を対象としたフェーズ2臨床試験において、新型の免疫PET検査薬「Zr-DFO-ダラツムマブ」は、現在の標準検査であるFDG-PET/CTと全体的な病変検出率では同等でした。しかし注目すべき点として、FDG-PET/CTでは病変が認められなかった患者のうち13%(60人中8人)において、Zr-DFO-ダラツムマブPET/CTのみで病変が検出され、その後の生検によって活動性骨髄腫であることが確認されました。この結果は、新しい検査法が既存の検査を補完できる可能性を示しています。
研究の概要――対象と方法
この研究は、2022年3月から2025年7月にかけて実施された前向きフェーズ2臨床試験です(臨床試験登録番号:NCT04814615)。多発性骨髄腫と診断された患者60人(中央値年齢63歳、四分位範囲57〜71歳、うち女性32人)が登録されました。
参加者は全員、標準治療として行われるFDG-PET/CTおよび骨髄生検を受けたうえで、研究目的のZr-DFO-ダラツムマブPET/CTも実施しました。Zr-DFO-ダラツムマブは、骨髄腫細胞の表面に多く発現するCD38というタンパク質に結合する抗体(ダラツムマブ)に、放射性同位元素であるジルコニウム89(Zr-89)を結合させた新型のPETトレーサーです。2つの検査で結果が異なる病変が見つかった場合は、画像ガイド下生検を行い、その結果を「正解」(参照標準)として評価しました。2つの検査法の病変検出率の比較にはマクネマー検定が用いられました。
結果
Zr-DFO-ダラツムマブPET/CTは60人中26人(43%、95%信頼区間:31〜57%)で1か所以上の陽性病変を検出しました。一方、FDG-PET/CTは60人中28人(47%、95%信頼区間:33〜60%)で陽性病変を検出しました。統計的には、2つの検査法の間に全体的な病変検出率の有意な差は認められませんでした。
しかし、個別の患者レベルで見ると、FDG-PET/CTでは病変が検出されなかったにもかかわらず、Zr-DFO-ダラツムマブPET/CTのみで病変が検出された患者が60人中8人(13%)存在しました。これらの患者では、その後の生検によって活動性骨髄腫であることが病理学的に確認されています。
生活への示唆
多発性骨髄腫は現状の画像診断では病変の検出が難しい場合があり、それが治療方針の決定に影響することがあるとされています。今回の研究は、CD38を標的とした免疫PETが、従来のFDG-PET/CTでは見つけられなかった活動性病変を一部の患者で検出できる可能性を示した点で注目されます。
ただし、この研究はフェーズ2試験であり、参加者数も60人と比較的少数です。この検査法の有効性や安全性をさらに確立するためには、より大規模な試験での検証が必要です。また、現時点ではこの検査は研究段階にあり、臨床現場で広く利用できる段階ではありません。骨髄腫の診断や治療に関しては、担当医との十分な相談のもとで判断されることが重要です。
出典
Radiology(2026 Nov)
Phase 2 Trial of Zr-Deferoxamine-Daratumumab for CD38-targeted Immuno-PET/CT Detection of Multiple Myeloma.(PubMedで見る)
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
