ナイス!シニア
40代からの医療情報…現役看護師が監修

テキストメッセージを心理療法に活用——うつ・不安への効果は限定的も、臨床判断への影響が明らかに

スマートフォンのテキストメッセージを心理療法のセッションに取り入れることで、治療効果は向上するのでしょうか。米国の学術病院で行われたランダム化比較試験の結果、うつや不安の症状改善に統計的に有意な差はみられなかったものの、情報へのアクセス頻度が高いほど臨床判断に影響を与えることが示されました。



スポンサーリンク

何が分かったか

日々の生活の中でデジタルコミュニケーションが当たり前になるにつれ、心理療法の現場でも患者のメッセージデータを活用する可能性が注目されています。今回の研究では、テキストメッセージのデータを心理療法に組み込んでも、うつや不安の症状、治療関係(治療同盟)の改善に統計的に有意な差は認められませんでした。一方で、セラピストが得られる補足情報の量が多いほど、臨床的な判断や対応の内容に変化が生じることが示されました。また、痛みに関する生活の質の指標においては、テキストメッセージを活用したグループの方が改善が大きかったことも報告されています。

研究の概要——対象と方法

この研究は「電子メディアと心理療法への影響(EMAP)研究」と呼ばれるランダム化比較試験で、米国の学術病院における外来および部分入院の成人・高齢者を対象に実施されました。主にうつ病または不安障害の治療として心理療法を受けている101人の参加者が、「電子メディア強化療法(EME)」グループ(52人)と「通常治療(TAU)」グループ(49人)にランダムに振り分けられました。

EMEグループでは、研究スタッフがセッションの前に参加者のテキストメッセージを確認しました。確認には、気分に関連した個人ごとのキーワードが使われ、集約された結果がHIPAA(米国の医療情報保護法)に準拠したセラピスト向けのダッシュボードに表示されました。TAUグループは、メッセージの確認なしに通常のケアを受けました。評価指標には、うつ症状(PHQ-9)、不安症状(GAD-7)、健康関連QOL(SF-36)、治療同盟(WAI-SR)の変化スコアが用いられました。


スポンサーリンク

結果

不安症状の改善や治療同盟の強さについては、2つのグループ間に統計的に有意な差は見られませんでした。うつ症状についても、同様に有意差はありませんでした。ただし、SF-36の追跡データが得られた65人を対象にした分析では、EMEグループは「痛み」のサブスケールにおいてより大きな改善を示しました。

また、セラピストが補足情報(テキストメッセージを含む電子メディアのデータ)にアクセスする頻度が高いほど、治療に関連した臨床的な対応(クリニカルアクション)が増加することが確認されました。ただし、そうした情報へのアクセスの増加が、長期的な治療アウトカムの改善に直接つながるわけではありませんでした。

生活への示唆

この研究は、デジタルデータを心理療法に活用することの可能性と限界の両面を示しています。テキストメッセージなどの個人的なコミュニケーションデータを治療に取り入れることで、セラピストがより多くの情報を得て判断を行うことはできるものの、それが必ずしもうつや不安といった主要な症状の改善に直結するわけではないことが示唆されます。

研究者たちは、こうした効果が「文脈や状況に依存する」ものであると述べており、デジタルデータの活用が有効かどうかは、患者の状態や情報の使い方によって異なる可能性があると考えられます。個人のプライベートなメッセージを医療目的で活用することには、プライバシーや倫理上の配慮が伴うため、今後さらなる研究と慎重な検討が求められる分野といえるでしょう。

出典

JMIR mental health(2026 Oct 19)
Incorporating Data From Text Messages and Email Into Psychotherapy: Randomized Controlled Trial.(PubMedで見る)

本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。

あわせて読みたい記事