南・東南アジアのアルツハイマー病有病率が急増――生活習慣や識字率が発症リスクに関連 系統的レビューが示す実態
南アジア・東南アジア地域におけるアルツハイマー病および関連認知症(AD/ADRDs)の有病率が、特に2010年以降に急上昇していることが、31件の研究を統合した系統的レビューとメタ分析によって示されました。低・中所得国での疾病負担の増大が顕著であり、早期スクリーニングや地域特有の疫学研究の重要性が浮き彫りになっています。
結論:何が分かったか
南アジア・東南アジアを対象とした大規模なメタ分析の結果、この地域における認知症全体の推定有病率は約3.0%、アルツハイマー病(AD)は約2.0%、血管性認知症は約1.0%であることが明らかになりました。特に注目すべき点として、AD有病率は2000年以前に比べて2010年以降に大幅に上昇しており、低・中所得国(LMICs)では高所得国(HICs)と比較してより高い有病率が観察されました。また、高齢であることが発症リスクの上昇と関連している一方、識字率の高さ・十分な睡眠・歯周病治療・認知的刺激といった要因が保護的に働く可能性が示唆されました。
研究の概要:対象と方法
本研究は、南アジアおよび東南アジアを対象としたAD/ADRDsの有病率と関連要因を調べた観察研究(横断研究・症例対照研究・コホート研究)を系統的に収集・統合したものです。PubMed、Scopus、CINAHL、EMBASE、APA PsycNetの5つの主要な医学文献データベースを用いて、2025年5月1日までに発表された研究が網羅的に検索されました。2名の独立した研究者による文献スクリーニングとデータ抽出が行われ、研究の方法論的質は修正ニューカッスル・オタワスケール(mNOS)で評価されました(平均スコア7.1/10点)。最終的に31件の研究が分析対象となり、そのうち13件(合計56,340人)を用いて有病率のプール推定値が算出されました。
結果:具体的な数値と傾向
プール分析の結果、認知症全体の有病率は3.0%(95%信頼区間:2.0〜5.0%)、AD単独では2.0%(95%信頼区間:1.0〜4.0%)、血管性認知症では1.0%(95%信頼区間:0〜1.0%)と推定されました。ADの平均発症年齢は70.7歳(標準偏差5.5歳)であり、男性患者の約46.3%が発症後5年間生存していました。
サブグループ分析では、ADの有病率が低・中所得国で3.0%(95%信頼区間:1.0〜6.0%)と、高所得国の2.0%(95%信頼区間:1.0〜4.0%)を上回っていました。時代別では、2000年以前の有病率が1.0%未満(95%信頼区間:0〜2.0%)であったのに対し、2010年以降は8.0%(95%信頼区間:5.0〜14.0%)にまで上昇しており、急激な増加傾向が確認されています。
リスク因子の分析では、高齢であることがADのオッズ比3.98(95%信頼区間:1.77〜8.99)と有意に関連していました。一方、識字率の高さ、十分な睡眠の確保、歯周病に対する治療、そして知的・認知的な刺激を受けることが保護的要因として示唆されました。女性であることや家族歴については、プール分析において明確な関連は確認されませんでした。なお、研究間の異質性(I²統計量)が非常に高く(認知症全体98.7%、AD99.0%、血管性認知症93.7%)、地域や研究間での大きなばらつきが存在することも指摘されています。
生活への示唆
本研究の結果は、南・東南アジア地域において認知症、とりわけアルツハイマー病が急速に増加しつつある実態を示しています。研究者らは、識字率向上・睡眠習慣の改善・口腔ケア・脳を使う活動といった要因が保護的に関連している可能性を示しており、これらは今後の予防戦略を考える上での手がかりとなり得ます。ただし、本研究はあくまで疫学的な関連を示したものであり、これらの要因が認知症を予防するかどうかの因果関係については、さらなる研究が必要です。
研究チームは、資源が限られた低・中所得国では早期スクリーニング体制の整備と地域の実情に即した疫学研究の充実が急務であると強調しています。アジア地域における急速な高齢化を背景に、認知症対策を国や地域の政策として優先的に位置づけることの重要性が、この研究からも浮かび上がっています。
出典
BMJ open(2026 Sep 23)
Alzheimer’s disease and related dementias in South and Southeast Asia: a systematic review and meta-analysis of epidemiology and associated factors.(PubMedで見る)
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
