良性発作性頭位めまい症の原因は耳石のかけら？

良性発作性頭位めまい症は、体の向きを変えたりすると回転性のめまいが生じる病気。BPPVとも呼ばれます。良性発作性頭位めまい症の大きな特徴は、めまいの時間が安静にして1分で収まること。良性発作性頭位めまい症の原因は耳石のかけら。ほとんどが自宅で治すことができます。

良性発作性頭位めまい症の原因

2012年、なでしこジャパンの澤穂希選手におきためまいの原因が良性発作性頭位めまい症。良性発作性頭位めまい症は、耳の奥にある「耳石」のカルシウムのかけらが、体の回転を感じる三半規管にはがれ落ちて神経を刺激することが原因です。

頭をぶつけたり年齢を重ねたりすると、耳石がはがれやすくなります。耳石のかけらが三半規管に入ってしまうと、内部に波のようなものを作ってしまうのです。

この波で体が揺れていないにもかかわらず、揺れていると感知してしまうのが良性発作性頭位めまい症のメカニズム。とはいえ、耳石のかけらが移動する範囲は三半規管内。たいていは30秒、長くでも1分でめまいは収まります。

良性発作性頭位めまい症は、40歳までは発症に男女に差はありません。しかし、40代以降になると女性の発症が男性の3倍になります。女性の場合は閉経後以降に骨粗しょう症がおきるため、耳石がもろくなるからです。

良性発作性頭位めまい症の治療法は、落ちた耳石を三半規管から出したり、体内へ吸収させたりする体操をするのが一般的です。とくに、自宅で行う体操が効きます。

良性発作性頭位めまい症には寝返り運動がおすすめ。仰向けに寝た状態で顔を「右・正面・左」にそれぞれ10秒ずつ向けるのです。1回につき10往復、それを1日2回行います。首が痛ければ、体ごと向きを変えてもOKです。

「エプリー法」も良性発作性頭位めまい症に有効。右耳に耳石のかけらがあるとわかるなら、ベッドに座って顔を右に向けて、そのまま体を後ろに倒して寝ます。そこから顔だけを左に向け、続いて体も左に向けて、そのまま体を起こすのです。これ1回で70％の良性発作性頭位めまい症が治るとの報告もあります。

良性発作性頭位めまい症には「枕を高くする」方法も簡単です。これは、耳石よりも高い位置に三半規管を保持するもの。耳石のかけらが三半規管に入っていきにくくいます。これは、いわば予防法といえるでしょう。