再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に新たな治療候補―二重標的阻害薬イフピノスタットの第2相試験結果
複数の治療を受けてもリンパ腫が再発・進行した患者に対し、新薬「イフピノスタット」の単独療法を評価した臨床試験の結果が報告されました。約36%の患者で腫瘍の縮小が確認され、既存の治療選択肢が限られる状況での新たな可能性が示されています。安全性についても重篤な副作用の管理が可能であることが示唆されました。
何が分かったか
再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の患者を対象とした第2相臨床試験において、新規の二重標的阻害薬「イフピノスタット(BEBT-908)」の単独投与が一定の有効性を示すことが明らかになりました。2つ以上の治療歴がある難しい状況の患者群において、約3人に1人以上で腫瘍が縮小する反応が得られており、治療の新たな選択肢となりうる可能性が示されています。
研究の概要:対象と方法
イフピノスタットは、がん細胞の増殖に関わる「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)」と「ホスファチジルイノシトール3-キナーゼアルファ(PI3Kα)」という2つのタンパク質を同時に阻害する新しいタイプの薬剤です。この研究は中国の複数施設が参加した単群の第2相試験として実施されました。
対象となったのは、少なくとも2ライン以上の全身化学療法を受けた後に再発または治療抵抗性となったDLBCL患者です。2020年6月から2022年7月にかけて128人が登録されました。参加者は21日を1サイクルとして、サイクルの1・3・5・8・10・12日目にイフピノスタット22.5mg/m²を点滴静注で投与されました。主要評価項目は独立した専門家による客観的奏効率(ORR)で、副次評価項目として病勢制御率、奏効持続期間、無増悪生存期間、全生存期間、安全性が評価されました。データカットオフは2023年7月で、中央値で約19.6か月の追跡期間が確保されました。
結果
有効性の解析対象となった115人のうち、客観的奏効率は36.5%(42人)でした。このうち完全奏効(腫瘍が検査で検出されない状態)は11.3%(13人)、部分奏効(腫瘍が一定以上縮小)は25.2%(29人)でした。奏効が得られた患者における奏効の持続期間の中央値は6.2か月(95%信頼区間3.5〜14.5か月)でした。無増悪生存期間の中央値は2.7か月(同1.6〜3.7か月)、全生存期間の中央値は9.9か月(同7.8〜14.8か月)でした。
安全性については、安全性解析対象の128人のうち99.2%にあたる127人で治療に関連した副作用(TRAE)が認められました。グレード3以上の重篤な副作用は86.7%(111人)に発生し、最も多かったのは血小板減少(75.8%)、好中球減少(33.6%)、白血球減少(22.7%)といった血液系の副作用でした。一方、治療に関連した死亡例は報告されておらず、研究者らはこれらの副作用は管理可能な範囲であったと評価しています。
生活への示唆
DLBCLは血液がんのなかでも比較的多くみられるタイプですが、複数の治療を経て再発・難治性となった場合の治療選択肢は現状では限られており、患者さんや医療者にとって大きな課題となっています。今回の研究は、そうした状況にある患者に対してイフピノスタットが一定の有効性を示す可能性を示唆しています。
ただし、この研究は単一の治療群のみで比較対照群を設けていない第2相試験であり、血液系を中心とした副作用の発生率が高かった点も確認されています。現時点では研究段階の薬剤であり、実際の治療への適用にはさらなる検証が必要です。再発・難治性リンパ腫の治療に関心のある患者さんやご家族は、担当医に最新の臨床試験情報や治療選択肢について相談されることが一つの参考になるかもしれません。
出典
Signal transduction and targeted therapy(2026 Oct 19)
Efficacy and safety of ifupinostat in relapsed or refractory diffuse large B-cell lymphoma: a multicenter, single-arm phase 2 study.(PubMedで見る)
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
