オンラインでも対面でも「続けやすい」高齢者向け運動プログラム——スウェーデンの試験的研究が示すこと
高齢者の健康的な老後を支える身体活動(運動)を、オンラインと対面のどちらの形式で提供しても、一定の実施可能性があることがスウェーデンの小規模試験で示されました。参加者が運動を続けるうえで鍵となるのは、提供形式そのものよりも「能力・機会・やる気」を支える環境にある可能性があります。この研究は2026年にJMIR Formative Researchに掲載されました。
結論――何が分かったか
26週間にわたる身体活動介入プログラムを、事前録画動画を用いたオンライン形式と、グループで集まって行う対面形式の2通りで提供したところ、どちらの形式でも多くの高齢者が参加を継続できることが確認されました。脱落率や参加継続率に統計的に有意な差は見られず、運動を続けられるかどうかは「どちらの形式か」よりも、参加者の能力(できるかどうか)・機会(環境や状況)・やる気(動機)を適切に支えられるかどうかに関係している可能性が示されました。
研究の概要――対象と方法
この研究はスウェーデンの地域在住の60歳以上の成人35名を対象にした、26週間のパイロット(試験的)ランダム化比較試験です。参加者は居住地域ごとにオンライングループ(12名)または対面グループ(23名)に割り当てられました。いずれのグループも「オタゴ運動プログラム」と呼ばれる転倒予防を目的としたバランス・筋力運動を行いました。オンライングループは自宅で動画を視聴しながら、対面グループは週に集まってグループで取り組みました。
研究では、脱落率と参加率(継続率)を主な実施可能性の指標とし、加えて身体活動量・下肢筋力・抑うつ症状・健康関連の生活の質を、介入開始時・14週時点・26週終了時の3回にわたって測定しました。また、プログラムを完了した17名と途中で脱落した7名に対してインタビューを実施し、参加継続や離脱に影響した要因を質的に分析しました。
結果
全体の脱落率は37%(35名中13名)で、そのほとんどが開始後2週間以内に生じていました。グループ間の脱落率に統計的な有意差はありませんでした(p値は0.29)。参加継続率の平均はオンライングループで約17回、対面グループで約12回とオンライングループのほうがやや高い傾向が見られましたが、こちらも統計的な有意差には至りませんでした(p値は0.15)。
インタビュー分析からは、脱落の主な理由として「身体的な健康上の問題」と「自分には合わないという感覚」が挙げられました。一方、参加を続けられた要因としては、「プログラムへの魅力や達成感」「習慣化とコミットメント(やり遂げようとする意識)」「柔軟なスケジュール対応」「運動量の記録や振り返りができる仕組み」「他者の存在(社会的なつながり)」が共通して挙げられました。これらの知見をCOM-Bモデル(能力・機会・動機と行動の関係を整理するフレームワーク)に当てはめると、両形式ともに参加者の能力・機会・動機を支える要素が機能していたことが確認されました。なお、介入に関連した有害事象は報告されませんでした。
生活への示唆
この研究はあくまでパイロット試験であり、効果を検証するために必要な参加者数を確保した設計ではありません。そのため、オンラインと対面のどちらが優れているかを結論づけるものではありません。しかし、オンライン形式でも対面形式でも一定数の高齢者が長期的に運動を継続できる可能性が示されたことは、住環境や身体状況によって外出が難しい方にとっても、運動継続の選択肢が広がり得ることを示唆しています。
また、脱落が開始直後の2週間に集中していたという知見は、プログラムの導入段階における丁寧なサポートの重要性を示している可能性があります。研究チームは、提供形式の違いよりも、参加者一人ひとりが「できる」「機会がある」「やりたい」と感じられる環境を整えることが、継続支援において重要な方向性であると述べています。今後は、より大規模な試験による効果の検証や、さまざまな背景を持つ高齢者に合った最適な形式の探索、そして早期脱落を防ぐための戦略の評価が必要とされています。
出典
JMIR formative research(2026 Oct 13)
Feasibility of Online and On-Site Physical Activity Delivery Among Older Adults: Mixed Methods Pilot Randomized Controlled Trial.(PubMedで見る)
本記事は紹介した研究結果を分かりやすくまとめたものであり、特定の症状や病気に対する診断・治療を推奨するものではありません。健康上の不安がある場合は医師にご相談ください。本記事はAIによる翻訳・要約を活用して作成し、公開前に運営者が内容を確認しています。詳細は「制作プロセス開示」「免責事項」ページをご覧ください。
