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胸の痛みはほとんどが「心臓病」が原因ではない

胸の痛みがおこる病気はさまざまありますが、そのほとんどは「心臓病」が原因ではありません。じつは胸の痛みの原因は、痛いところを「させる」か「させない」かで判断できます。そして、指でさせない胸の痛みは重大な病気の恐れがあるのです。すぐに病院で診察を受けるようにするべきです。



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胸の痛みはほとんどが「心臓病」が原因ではない


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胸の痛みが心臓病だった人は20%以下

とあるデータによれば、胸痛を訴えて病院に来た人のうち、心臓病だった人はたったの「20%以下」だったとか。じつに「80%以上」は別の病気から胸の痛みがおきていたのです。

そして、胸が痛いと訴えて病院に来て「ここが痛い」と指でさせる人は、その部位の神経や筋肉の痛みであることがほとんど。ピリピリした鋭い痛みが特徴といえます。その原因は「帯状疱疹」や「肋間神経痛」「筋肉痛」です。

一方、胸が痛いというものの「このへんが」「このあたりが」という説明になる場合は重大な病気の恐れがあります。「狭心症」「心筋梗塞」「大動脈解離「肺血栓塞栓症」などの重篤な病気は、内臓の痛みであるためにどこと指でさすことができないのです。


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検査をしても心臓には何の異常もなかった

実際の症例を見てみましょう。神奈川県在住の女性(54歳)は、50歳を過ぎたころからきつい胸の痛みに悩まされるようになりました。グーッと締め付けられるような痛みがあるため、本人はずっと心臓が原因と思っていたといいます。内側からギューッとつかまれる感じで、まさに心臓病の痛みと同じようなものです。

そしてついに、息もできないほどの激痛がひんぱんに襲うようになりました。すぐに女性は病院を受診。そこで心臓の検査を受けたところ、心臓には何の異常もなかったのです。

しかし、医師からはある薬を処方されました。するとその後は驚くほど症状が出なくなったのです。じつは、この病気は「逆流性食道炎」、または「胃食道逆流症」。胃酸が食道に逆流してしまう病気でした。


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胸の痛みを訴える人の多くは逆流性食道炎

胸の痛みで病院に来る人の多くは、じつはこの逆流性食道炎であるといいます。この女性が処方されたのは胃薬でした。

この逆流性食道炎のおもな症状は胸焼け。胃から酸が逆流してしまうからです。しかし、胸の痛みが現れたときは、その痛みは狭心症や心筋梗塞の痛みとそっくり。胃から酸が逆流すると、驚いた食道が収縮するのです。

これこそが胸の痛みと感じてしまう原因。ギューッとつかまれるような痛みは、ここから来るわけです。逆流性食道炎は治療法はしっかり確立されていますから、まずは病院に行って診断を受けることが大切です。10月16日放送『ためしてガッテン』の「心臓が停止する!まさかの奇跡の生還SP」で紹介されていました。

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