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40代からの医療情報…現役看護師が監修

「頚椎症性脊髄症」危険なしびれを見分ける

実際に「些細なしびれ」を放っておいたところ「頚椎症性脊髄症」が見つかった実例を見てみましょう。そこから「危険なしびれ」を見分けるヒントが浮かび上がります。『主治医が見つかる診療所』で取り上げられていました。



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しびれの原因は「頚椎症性脊髄症」だった

東京都在住の73歳の女性が初めて「しびれ」を感じたのは2年前の3月のこと。しびれを感じたのは、右手の親指・人差し指・中指の3本。まるで指先にスポンジが張り付いたように感覚が鈍くなったのでした。

驚いた女性が友人に相談すると、数人から「私も何年もそういう状態」といわれたとか。よくあることかなと思い、少し様子を見ることにしたのです。しかし、その後もしびれは消えません。

1か月ほどたつと、左手の親指にも同じようなしびれが出現。しかもやけに足が重く感じるようになり、ゆっくりとしか歩けなくなったしまったのです。

女性はようやく病院へ。すると医師から「すぐ手術を」といわれたのです。病名は「頚椎症性脊髄症」。首の骨やじん帯などの変形により手足を動かす中枢神経である脊髄が圧迫される病気です。しかし、この女性は首にメスを入れることに恐怖を感じ、医師から勧められた手術を断ってしまいました。

発症から2か月後にはしびれが両手全体に広がり、握力が低下。よくものを落とすようになりました。さらに足の症状も悪化。思うように足が上がらなくなり、わずかな段差でもつまずくようになったのです。


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頚椎症性脊髄症によって筋力が低下する

じつは、これらの症状は「頚椎症性脊髄症」による脊髄の圧迫が進行したことで、筋力が低下したことが原因。脊髄の圧迫が進行すると手足が動かしにくくなり、動かせない筋肉が落ちていってしまいます。うまく箸が使えなくなったり、文字がかけなくなったり、わずかな段差でつまずく…など、生活にさまざまな障害が出てくるのです。

また、このとき女性は非常に危険な状態にありました。「頚椎症性脊髄症」で脊髄の圧迫が進行した状態で首に強い衝撃が加わると、脊髄が押し潰されることも…。最悪の場合、手足が麻痺してしまうこともあるのです。そうなると、車イスでの生活が強いられ、そのまま寝たきりになってしまうこともあります。

そんな危険な状態を抜け出すために、女性はようやく手術を決断。現在では歩くことはもちろん、片足で飛び跳ねることもできるほど回復しています。

「手足のしびれ」だけで歩けなくなると心配するのは大げさですが、それが広がってきていたら要注意。「頚椎症性脊髄症」のしびれを放置した場合、脊髄の圧迫が進行して危険な状態になることがあります。しびれの「範囲が広がる」、しびれが「だんだん強くなる」というのは「危険なしびれ」のサインです。

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