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iPS細胞から作る心筋シートが実用化に近づく

心筋シートとは、重症の心不全患者に自身から採取した細胞をシート状に培養して、心臓に貼って働きを改善する治療法です。この心筋シートが、人間のiPS細胞から作製できるようになるかもしれません。iPS細胞から作る心筋シートの動向から目が離せません。詳しく見ていきましょう。



iPS細胞から作る心筋シートが実用化に近づく


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iPS細胞由来の心筋シートが実用化

これは、心筋シートを研究開発してきた大阪大学と第一三共株式会社によるベンチャー企業のクオリプスが発表したもの。iPS細胞由来の心筋シートについて、5年後をめどに実用化する考えを示しました。

細胞治療製品には患者自身の細胞を取り出して培養・加工する自家細胞製品と、患者以外の第三者の細胞を培養・加工する他家細胞製品の2種類があります。iPS細胞由来の心筋シートは他家細胞製品です。

現状の心筋シートは、心臓の細胞に極めて近い患者の足の太ももの細胞を利用して培養しています。実際の心筋シートは白っぽい半透明の薄い膜。直径4cmほどの円状です。


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従来の心筋シートは計2回の手術

この心筋シートをダメージを受けた心筋に貼り付けると心筋がシートと同化。新たな血管を送り込むとシート内で作られた栄養が送り込まれ、弱った心筋が再生を始めることができるのです。

従来の心筋シート治療では計2回の手術が必要。まずは太ももの筋肉を採取する手術して、心筋シートを1か月以上培養します。そして、2回目の手術でその心筋シートを心臓に貼り付ける必要がありました。

それがiPS由来の心筋シートが実用化することで、太ももの筋肉を採取する手術は不要になるというわけ。今後は心臓にあたかも絆創膏を貼るかのように、心機能の改善や心不全状態からの回復できるようになるかもしれません。

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