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定年後も働き続ける人は妻の年金がおろそか

国民年金の種別は、自営業者や無職の人の「第1号」、会社員や公務員の「第2号」、第2号に扶養される配偶者の「第3号」の3つがあります。日本年金機構の推計では、第3号の資格を失ったのに届け出ずに未納期間が生じて訂正していないのは、協会けんぽの記録だけで47万人もいるのです。



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第3号になる手続きは健康保険の被扶養者届と複写式になっているので漏れが生じませんが、資格を失うときは自分で市区町村に行く必要があるため抜け落ちやすいのです。自分だけでなく夫の働き方や退職によることも多いのが多発の原因です。

定年後も働き続ける人は多いですが、妻の年金がおろそかになりがち。手続きが漏れる典型例は、夫が定年再雇用のケースです。年金の減額を避けるため会社の厚生年金の被保険者にならない短時間勤務を選ぶと、夫は第2号ではなくなります。正社員として働き続けても、65歳で年金の受給権が発生した時点で第2号の資格は失います。いずれの場合も妻が60歳未満であれば第3号から第1号への変更手続きが必要だ。

2013年7月、未納期間がある人を対象に救済策が始まりました。原則25年以上の加入という受給資格を満たさないと無年金になりますが、「特定期間該当届」を年金事務所に提出することで未納期間を「カラ期間」にできる制度。カラ期間とは、年金額には反映しないものの受給資格期間としてカウントする期間のことです。

日本年金機構は該当する可能性がある人に順次通知を出し、2013年12月までに5.4万人が手続きをしました。2015年4月からは3年間限定で、未納保険料を最大10年分遡って追納できるようにします。未納期間のうち自分の希望する期間分を追納すれば、受け取る年金額が増えるのです。現在の年金額と保険料で計算すると、1ヶ月当たり追納額は2013年度で1万5040円。1ヶ月月納めるごとに年間の給付額は1621円程度増えます。

給付額が追納分を上回るのは年金を受け取り始めて10年目から。長生きする傾向がある女性にとっては、終身で受け取れる公的年金を増やすチャンスだけに、多くの人が追納するといわれています。とはいえ、預貯金や資産運用で老後資金の見通しがある程度ついていれば、無理に追納する必要はありません。

老後の心配をするあまり今の家計を崩すのは本末転倒。追納が始まるまでの1年超を生かし、ほかの資産を含めた老後の資金繰りを再点検しましょう。

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