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食事後の中性脂肪が高い「隠れ中性脂肪」が急増

健康診断の中性脂肪の数値は問題ないのに、食事後の中性脂肪が高い「隠れ中性脂肪」が急増しています。しかも食事後の中性脂肪が高いと、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクが3倍にも上がってしまうのです。『ためしてガッテン』の「心筋梗塞を防ぐ新常識」で紹介されていました。



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食事後の中性脂肪が高い「隠れ中性脂肪」が急増


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中性脂肪が高いのが食事後だけ

健康診断で中性脂肪の数値に何の問題も出ていない10人の男性に集まってもらい、血清を調べてみました。血清は、血液を採取して遠心分離機で分離させるとできるものです。

この血清、正常なら黄色い半透明の液体ですが、近ごろは半透明でなくにごった人が増えています。さっそく血液を採取して調べてみると、全員の血清にはにごりが見られません。

しかし15分後、ボリュームのある食事をしたのちに再び血液検査をしてみると、10人中3人ににごりが見られたのです。その3人をさらに詳しく調べたところ、血管の壁がこんもり盛り上がっている動脈硬化が始まっていました。

血清のにごりの正体は中性脂肪です。健康診断は前日の夜から何も食べずに行います。このため食事後だけ中性脂肪が高いと、計測することができないのです。


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食事後だけ中性脂肪が高い病気

日本人の男女1万人を対象に、食後の血清のにごりの「あり/なし」で、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクがどれだけ違うのかを調べた調査結果があります。にごりがない人と比べて、にごりがある人の発症リスクは、なんと3倍だったのです。

食事後だけ中性脂肪が高い人は「食後高脂血症」という病気。最近、食後の血清のにごりと病気との関係性がわかってきたのです。食事をすると私たちの血液中に中性脂肪が入ってきます。

ここで登場するのが、中性脂肪を分解する酵素である「リポたんぱくリパーゼ」。リポたんぱくリパーゼは中性脂肪を、小さな脂肪酸と呼ばれる粒に分解。脂肪酸は血管の小さな穴から体の各部分の細胞へ出て行き、エネルギーとして使われるのです。


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分解されずに中性脂肪が高い状態

このとき使い切れずにあまった脂肪酸は、脂肪細胞に貯蔵されていきます。そして、脂肪細胞が脂肪酸でいっぱいになると、脂肪細胞から出る信号によって血液中のリポたんぱくリパーゼが減少してしまうのです。

このリポたんぱくリパーゼが少ない血管に中性脂肪が入ってくると、すべてが脂肪酸に分解されずに一部が残りカスになります。残りカスは血管の小さな穴から細胞へ出て行くことができません。これが中性脂肪が高い状態です。

こうして血管の壁の内部に残りカスがたまっていき、動脈硬化が引き起こされるのです。そして、この残りカスこそ血液のにごりの正体だったです。食事後だけ中性脂肪が高い食後高脂血症に注意しましょう。

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