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40代からの医療情報…現役看護師が監修

急性膵炎で命の危機に陥った元アイドルの症状

単なる胃の痛みだと思って放っておいたため、命の危機に陥ったのが元アイドルがいます。急性膵炎は放置してしまうと、さまざまな臓器に異常が発生。最悪の場合、わずか数日で命を落としてしまうこともあるのです。『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。



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膵臓の位置


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胃の不調が急性膵炎の始まり

元アイドルを命の危機が襲ったのは34歳のときです。当時は4人の子どもを育てながら仕事をこなしていました。そんな忙しい日々で感じていたある胃の不調が急性膵炎の始まりだったのです。

キリキリ痛むときもあれば、食べたあとに重いような感じを受けたりと、胃に不快感がずっとあったといいます。それまでも疲れがたまると胃のあたりに痛みを感じていたこともあり、いつも市販の胃薬で対処していました。

しかし、いつもなら2~3回飲めばピタッと止まっていたものが、この胃痛は薬がまったく効果ナシ。しかもその後、食べたあとに背中の真ん中あたりが痛くて、押したり叩いたり、柱やタンスの角でグリグリ押し付けたりしていたほど。そして、背中を叩いたりすると痛みはすぐに治まったのです。


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急性膵炎で膵臓が破裂した音

そして、最初に痛みを感じてから3週間後、胃のあたりの不調は続いていたものの、元アイドルは以前から家族で計画していたグアム旅行へ出かけます。

この旅先でさらなる異変がおこったのです。お腹の上の部分がポコンと腫れているような感じでした。友人から指摘されるほど、目に見えてぷっくりとお腹が膨れていたのです。

さらに、もう1つの症状が現れていました。旅行のあいだずっと、トイレに行っては冷や汗をかくほどお腹を下していたのです。雑巾をガーッと絞られるような痛みが、トイレに行ったときだけあったといいます。

そして帰国の途に着いた元アイドルは、まさに空港に到着した直後に体調が急変。飛行機のドアが開いた瞬間に、内臓の胃のあたりでボンッという爆発を感じたのです。音はしませんが、音が聞こえるような破裂を感じました。急性膵炎で膵臓が破裂した音です。


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急性膵炎とは膵臓自らを溶かす

帰りの電車の中で容態はさらに悪化。胃のあたりに冷や汗が出るほどの急激な激痛が襲います。そして痛いとおさえると、お腹が少しずつ膨らんできたのです。その大きさはなんと、臨月のときと変わらなかったといいます。

あまりの激痛で意識がもうろうとしながらも、子どもたちを連れてなんとか帰宅。しかし、そのまま倒れこんで動けなくなってしまいました。そして、身体にさまざまや異常を引き起こしていた病気が急性膵炎であることを知ります。急性膵炎で膵臓が破裂していたのです。

急性膵炎とは、膵臓が分泌する消化液・膵液が何らかの原因で内部であふれてしまい、膵臓自らを溶かしてしまう病気。進行すると、漏れ出した膵液が周りの臓器までも溶かしてしまうのです。


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急性膵炎の治療は1か月も絶飲食

元アイドルの場合、漏れ出した膵液に肺や腎臓、腸までもが溶かされはじめ、激痛がおきていました。そして、ダメージを受けたおなかに腹水といわれる水がたまりはじめていたため、どんどん膨らんでいたのです。

急性膵炎の治療は痛みと炎症を抑える薬を点滴し、ずっと絶飲食で飲まず食わずの状態で膵臓が回復するのを待つしかありません。最初はうがいも許されませんでした。食事をとると膵液が分泌されてしまうため、食べ物はおろか飲み物すら口にすることができないのです。

膵臓が回復するまでいっさいの食事と飲み物は禁止。その期間はなんと、1か月以上にも続きました。こうして40日間にもおよぶ絶飲食を終え、急性膵炎による命の危機から無事に生還した元アイドル。退院2か月後には仕事にも復帰することができました。

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