ナイス!シニア
更年期/介護/相続…40代からの新常識

胎児から腹壁に穴!?それが「脱腸」の原因

消化器系の外科手術の数を調べてみると、胆石が「7万5千件」、いわゆる盲腸と呼ばれる虫垂炎が「6万件」とか。そして「脱腸」が「16万件」にも達するのです。「脱腸」と聞くと「腸がお尻から出てしまっていること」を想像しますが、じつは大間違い。私たちのお腹の消化器は、腹壁という筋肉の壁に包まれているもの。そして、脱腸というのはその腹壁から消化器があふれ出ていることなのです。



スポンサーリンク
baby_sweat

じつは、脱腸の原因は胎児の時代にあります。胎児は受精卵の段階では男女の構造の差はありません。始めにできてくるのは「未分化性腺」と呼ばれるもの。できるのは背中のあたりです。これが妊娠2ヶ月くらいまでに「卵巣」になったり「精巣」になったりします。

ここで精巣の場合、背中の部分にあっては困ります。妊娠5ヶ月くらいになると、下半身のほうへ徐々に移動していくのです。しかし、消化器などは腹壁に囲まれています。ここで腹壁が自動的に開いて、精巣が本来あるべき場所にたどり着くのです。

このとき空いた腹壁の穴には、精巣などに栄養を送るための血管が通っています。このため、腹壁の穴は大人になっても空いたままなのです。

女性の場合も同様の腹壁の穴はあります。卵巣も下半身に向かって移動していくのですが、最終的には腹壁の中に収まるもの。しかし、下に向かって引っ張るための靭帯が通るために、腹壁に穴が空いているのです。

この穴が空いている場所を「鼠径部(そけいぶ)」といいます。じつは、脱腸の本当の病名は「鼠径ヘルニア」です。椎間板ヘルニアなどでも使われる「ヘルニア」という言葉は「脱」、すなわち本来あるべき場所から外れることを意味します。「鼠径」というのは、いわゆるビキニラインあたりのことをいいます。

この記事をシェアする


あわせて読みたい記事