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「指先のしびれ」その原因を見分ける方法!!

腕や足の「指先のしびれ」があっても、多くの人が病院へは行かないといいます。しかし、放っておくと大変なことになる「危険なしびれ」もあるのです。指先のしびれの原因を紹介するとともに、そこに潜む「危険なしびれ」を見分ける方法を紹介しましょう。



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「指先のしびれ」その原因を見分ける方法!!


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指先のしびれが左右対称の場合

指先のしびれの原因として、もっとも可能性が高いのが「糖尿病」です。私たちは食べ物を摂ると、体内でエネルギー源となるブドウ糖が作られます。ブドウ糖はすい臓で作られるインスリンによって全身に運ばれる仕組みです。

しかし、糖尿病によってインスリンの働きが悪くなると、血液中にあふれた大量の糖が血管がダメージを与えます。すると、全身の血行が悪化して体の末端まで血液が届きにくくなることに…。これがしびれの原因です。

指先のしびれが糖尿病が原因かどうかを見分ける方法があります。それは、しびれが「先端から中心に徐々に広がる」かどうか、それと「左右同時に現れる」かどうかです。

糖尿病のしびれの特徴とは?


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糖尿病による指先のしびれの症状

整形外科的な原因でおこる指先のしびれは「親指だけ」や「指2本だけ」など、タテに症状が現れるもの。一方の糖尿病の場合の指先の痺れは「指の先端だけ」「第二関節まですべて」と、ヨコに症状が現れるのが特徴なのです。また、糖尿病は全身で糖が増えて全身均一に障害が進みます。左右差はほとんどありません。

この段階で適切な治療や生活習慣の改善を行わないと、症状は悪化の一途をたどります。指先のしびれは痛みに変わり、手足の末端から体の中央へ広がってくるのです。場合によっては、痛みのために歩行困難になることもあります。

最終的には、手足の神経が完全に麻痺。皮膚を刺激しても何も感じなくなります。そして、知らないあいだに手足の傷が悪化してしまうのが壊疽。壊疽は典型的な糖尿病の合併症で、組織が腐ってしまうこと。手足の切断に追い込まれる人もいます。


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指先のしびれでこぶしが握れない場合

指先のしびれは「頚椎症性脊髄症」が原因とも考えられます。中高年に多く発症する病気で、手足のしびれ・歩行障害を引き起こし、寝たきりになってしまう危険もあるのです。

「椎間板」は首の骨と骨との間でクッションの役割を果たしていますが、加齢とともに弾力性を失って潰れていきます。すると、骨同士が直接こすり合って椎間板や骨が変形したり、じん帯が変形したり…。それらが脊髄を圧迫するのが「頚椎症性脊髄症」。この脊髄の圧迫が原因でしびれがおこります。

しびれが「頚椎症性脊髄症」かどうかを見極める方法があります。それは10秒間の間に、左右の手でグーとパーを繰り返すものです。両腕を前にまっすぐ出して、10秒間で手を握ったり開いたりする動きをできるだけすばやく行います。グーパーを1回として何回できるかを数えます。

目安としては「20回を切る」ようだとこの病気の可能性があります。また、こぶしがしっかり握れない場合も要注意。なお、片手だけスピードが落ちてしまう場合もあります。こういった場合、首に何らかの問題がある可能性があるので、万が一のことを考えて、整形外科を受診しましょう。


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心臓の負担が高いときの指先のしびれ

指先のしびれは「狭心症」によっておきる場合もあります。狭心症とは、心臓へ血液を送っている冠動脈が、動脈硬化などによって狭くなって心臓の働きが悪くなってしまう病気です。

指先のしびれとして現れるのは「関連痛」と呼ばれるもの。臓器が苦しんでいる信号を、脳が間違えて違う箇所の痛みや異常だと認識するものです。心臓の場合、その異常が脳へ伝えられるときに上半身のさまざまな部分の情報が錯綜。首や肩、腕、腹、歯など、人によってはさまざまな関連痛が現れます。

しびれが「狭心症」が原因かを見分ける方は「心臓に負担がかかったときにしびれる」かどうかです。運動中や運動後などに指先がしびれる場合は、狭心症を疑ったほうがよいでしょう。

さらには早歩きや階段の上り下りの途中やあとなど、心臓に負担がかかったときにしびれを感じたら、心臓に問題がある可能性があります。そのまま放置せず、近くの病院に相談するようにしましょう。


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指先のしびれが手根管症候群の場合

指先のしびれは手根管症候群が原因かもしれません。手根管は手首にある骨とじん帯に囲まれた狭い空間。ここに圧力がかかると、指にしびれや痛みを感じるようになるのです。

まず中指にしびれを感じる場合が多く、次第にほかの指に徐々に広がるのが一般的。手の甲と小指には症状が現れないことも特徴です。また、手を振ることで症状がやわらいだりすることもあります。

手根管症候群かどうかをチェックするなら、両手の甲を胸の前で合わせて30秒キープしてみましょう。指先がしびれるようなら、病院で検査を受けたほうがよいでしょう。手根管が狭くなっている可能性があります。

■6月9日放送『主治医が見つかる診療所』
【危険なしびれの見分け方SP】
「頚椎症性脊髄症」危険なしびれを見分ける
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「狭心症」が原因でおこるしびれの見分け方
末端から近づく「しびれ」は放置すると危険
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