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痛みがなくても尿酸は蓄積している!! – ためしてガッテン

「痛風」の患者の数は96万人。「痛風一歩手前」という人たちが1100万人もいると推定されています。そして、この「痛風一歩手前」の人にこそ、生命の危険が迫っているのです。尿酸値が高くても痛みが出ていない人の体では、いったいどんなことがおきているのでしょうか?



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実際に、尿酸値が基準値より高いながら、これまで痛みが出たことがない中年男性を診断してみます。まずは尿酸値「7.8」の男性について、痛風の痛みが出やすい足の親指の関節を、超音波エコーで見てみました。すると、関節には尿酸が溜まっていたのです。

尿酸値「8.3」の男性も、超音波エコーで見ると尿酸が溜まっています。尿酸値「9.7」の男性は、尿酸の結晶が沈着をおこしている状態。尿酸の結晶が溜まっている可能性が高いと診断されました。なんと全員の足には、尿酸が溜まっていたのです。医師いわく、正常な人とは明らかに違っている、危険な状態と診断されてしまいました。

尿酸の結晶は、尿酸が冷えて固まるときにできるもの。このため、足の先や人間の体で冷えやすいところにできやすいのです。とはいえ、その結晶が関節にピタッと貼り付いていれば痛みはありません。痛風の痛みは、尿酸の結晶がはがれ落ちて、炎症をおこすことで発症するのです。

この尿酸の結晶は、白い粉末状のもの。じつは、多くの人が目にしたことがあるのです。それは「鳩のフン」。鳩のフンが白いのは、それが尿酸の色だからです。尿酸は、すなわち老廃物。人間も尿と一緒に排泄しています。

それでは、なぜ私たちは尿酸を溜め込んでしまうのでしょう? 尿酸は「肝臓」で大量に作られます。血管を通って全身で悪さをすると思いきや、行き着く先は「腎臓」。いわば体の老廃物をより分ける「ゴミ処分場」です。尿酸は、腎臓でろ過されて「おしっこ」のほうへ分別されます。

ところが、捨てられるはずの尿酸を、血管に戻す役割を果たす細胞がいます。それが「尿酸トランスポーター」です。この細胞はじつによく働く細胞で、捨てられるはずの尿酸の9割を回収してしまうのです。腎臓でろ過されて廃棄されるはずの尿酸が、その腎臓によって回収されているのでした。

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