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血尿は色が赤いかでは危険度が判断できなかった

血尿といっても、色が真っ赤なおしっこが危険というわけではありません。本当に危ないのは、ふだんと変わらない色の血尿。こういった血尿は「顕微鏡的血尿」といわれるものです。わずかな異常が重大な疾患のきっかけとなることがわかってきたため、ガイドラインが設定されたほどです。



血尿は色が赤いかでは危険度が判断できなかった


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血尿の色で危険度は判断できない

トマトジュースのような色の血尿を体験した女性。この女性が病院で受診したところ、医師の診断は膀胱炎でした。抗生物質をもらって3日間ほどで、血尿はすぐに治ったといいます。

このように、血尿の色で危険度は判断することはできません。2010年に1,500人以上を対象に行われた海外での調査によると、ふだんと変わらない色の血尿の65%は「たまたま」でした。

じつは、血尿自体は一過性のものが多いのが実状。女性の場合、経血が混じってしまうこともありますし、高齢者の場合は血管がもろくなって血が出やすくなることがあるからです。


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血尿の色ではなく変形を調べる

そして、ふだんと変わらない色の血尿の残り35%のうち、22%は膀胱炎、10%は前立腺肥大です。ただし、本当に怖いのは残りの3%の「その他」に含まれている病気。腎炎などの腎疾患や膀胱がんなのです。

すなわち、尿検査で見つかる血尿のほとんどが、ふだんと変わらない色の血尿で、しかも一過性であるということ。このため、多くの人が尿検査で再検査となっても、血尿を放っておいてしまうのです。

しかし、尿検査の再検査は同じ検査を再び行うのではなく、ふだんと変わらない色の血尿を顕微鏡で調べるもの。血尿の赤血球が変形していれば腎臓病の疑いがあり、変形していなければ腎臓以外の病気の疑いがあると診断できるのです。さらに、顕微鏡ではがんの組織から出血するときに出てくる、がん細胞も見つけられます。

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