脂肪肝の原因がお酒ではなく肥満だった症例とは
γ-GDPの数値が基準値内だったにもかかわらず、命にかかわる脂肪肝になっていた症例を見ていきましょう。そこには、自分は肝臓の病気とは関係ないと思っている人の意外な落とし穴があります。それが脂肪肝の原因がお酒ではなく肥満だった症例です。『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。
原因が見当たらないのに脂肪肝
千葉県に住む69歳の女性の肝臓に命にかかわる危険な病気が見つかったのは6年前、63歳のときでした。現在も治療のため通院を続けています。女性が最初に肝臓の異変を告げられたのは健康診断のときでした。
当時の健康診断では、γ-GDPの数値は「46」で、基準値である「50」以内。しかも、女性は一滴もお酒を飲みません。原因が見当たらないにもかかわらず、肝臓に異常が発覚。すぐに大きな病院で精密検査を受けることになりました。
そこで判明した病気が「NASH(ナッシュ)」です。NASHとは非アルコール性脂肪性肝炎。女性に多いといわれる脂肪肝の疾患になります。このときすでに、肝臓の細胞が炎症をおこしていた状態でした。
脂肪肝の原因は食生活と運土不足
肝炎は肝臓の炎症によって細胞が破壊され、肝臓の機能が低下してしまう病気。しかし、女性が患ったNASHは人によってだるさや食欲不振などがおきますが、自覚症状がほとんどない場合が多いのです。
このため、初期の段階では見逃されやすく、検診などで見つかったときにはかなり進行しているケースもあるのです。この女性にも診察した医師から「放っておくと肝硬変から肝臓がんになる」といわれました。
実際、女性には脂肪肝の原因と疑うべき体の変化がありました。出産後に体重が徐々に増え始め、発症前には20代のころと比べると約20kgも増えていたのです。脂っぽものが好きだった食生活や長年の運動不足が、女性の脂肪肝の原因でした。
現在、女性は食事制限と運動によって体重を落としつつ、定期的に病院に通って医師の診察を受けています。
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