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帯状疱疹でも表面に症状が出ないケースがある

単なる頭痛と思って放っておくと、危険な病気が進行してしまう可能性があります。そんな注意すべき症例の1つが、帯状疱疹でも発疹やみずぶくれなどの症状が出ないケースです。帯状疱疹によって髄膜炎を発症した症例を見てみましょう。『主治医が見つかる診療所』で紹介されていました。



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帯状疱疹でも表面に症状が出ないケースがある


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強烈な頭痛の原因は髄膜炎だった

大阪府在住の48歳の男性は長年、水産加工会社に勤務していました。早朝からの仕事もあり、睡眠不足になってしまうことも多かったといいます。そんな男性に最初の異変が襲ったのは、仕事が年末に向けて忙しくなる年末でした。

仕事中に左目まぶたにかゆみを発症。そのかゆみは、まぶたから頭部にかけて次第に広がっていったといいます。最初にかゆみが現れてから4日目、今度はかゆみだけでなく、左側だけに頭痛が起き始めました。

しかし、男性は仕事が忙しいこともあり、ついそのまま放置していたといいます。そして最初のかゆみから7日目、その頭痛はギューッと締め付けられるような激しい痛みに悪化。椅子に座っていられないほど強烈だったといいます。

さすがにおかしいと思った男性は、発症から7日目にしてようやく病院へ。すると、そこで医師からいわれた病名は「髄膜炎」。髄膜とは脳と脊髄を保護するために覆っている膜のこと。この膜がウイルスなどによって炎症をおこしてしまう病気が髄膜炎です。


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帯状疱疹の症状が表面に出ない

髄膜炎は適切な治療が遅れると重症化して、長期的な認知障害など後遺症を残す場合もあります。男性はただちに入院して、点滴などの投薬治療を12日間も受けました。その結果、幸い後遺症もなく無事に退院することができたのです。

髄膜炎の発症には意外な理由がありました。それは日本人のじつに90%以上がいますぐにでも発症するかもしれない帯状疱疹です。帯状疱疹の症状は発疹や水ぶくれなど体の表面に症状が現れることが多いとされています。

しかし、なかにはウイルスが神経の奥深くで暴れ出すこともあるのです。すると、神経に沿って広がり体内で炎症などをおこすこともあります。その場合、見た目では判断しづらく、発見が遅れるケースも多いのです。

この男性の髄膜炎も、この暴れ出したヘルペスウイルスによるものでした。入院時に撮影したという写真を見ても、左目周辺がわずかに腫れていますが、発疹や水ぶくれは見当たりません。このため帯状疱疹の症状を発見するのが遅れ、髄膜炎が発症するまで悪化させてしまったのです。

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